パナソニックの"7000億円買収"が市場から厳しく評価される2つの理由 - 本当に「ソフト会社」に変われるのか
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1985年創業のBlueYonder(旧:JDA Software)は、世界に4000社、5000名の従業員を持つサプライチェーンソフトウエアの老舗です。AI、機械学習を実装し、川上から川下まで全体のサプライチェーンの最適化をかのうにするAI。機械学習を実装したプラットフォームを提供しています。
2020年にパナソニックはBlueYonderに860億円を出資し、20%の株式をすでに保有しています。
そして更に7000億円もの投資をし、総額約8,000億円を投じて買収するという検討をしているという話です。(まだ決まったわけではありません)
売り切りのハードビシネスから課金などのリカーリングビジネスへのシフトを進めるためでしょう。
売上1080億円のBlueYoderをパナソニックが買収することを嫌ってか、株価は下がっているようですが、ハードビジネスに行き詰まり感を覚えているのは、まさにパナソニック自身でしょう。
DXによる企業変革の中でも、社内のDXが重要なのではなく、顧客に新しい価値を提供し続けられる顧客視点でのDXです。中でもサプライチェーンは流通全体、つまり川上から川下のエコシステムなので、DXのハードルは一層高まります。
そこにパナソニックは焦点を当てているのだと思います。
サプライチェーンのソフトウエア市場も競争は激しくなっていくと思いますが、SCMをSAP、などのERPと統合させていくことも視野に入れれば、市場は大きなものになるでしょう。
7000億円という買収金額は、今後10年の世界の変化を想定すれば、大きなリターンもありうると思います。ただ、マイクロソフトも参入しているだけに、競争は厳しくなるでしょう。
それと最も重要なのは、買収後の経営統合です。パナソニックの奥の院と言われているような古い文化の巣窟を一掃するような強力なリーダーシップが求められるでしょう。ただ時間はそれほどないと思います。今変わらなければ、パナソニックという企業も歴史になってしまうかもしれません。