まさかの批判だ。米国国内で東京五輪・パラリンピックの放送権を持つ米放送局「NBC」が東京五輪の運営について疑問の声を上げている。

 米放送局「CNN」によると、米放送局「NBC」は夏季と冬季の五輪計10大会で、総額約1兆2700億円の放映権料を国際オリンピック委員会(IOC)に支払っているという。そのため、東京五輪の競技時間も米国のゴールデンタイムに合わせて組まれていると言われるほどだ。

 そんな莫大な力を持つ米放送局「NBC」が「新型コロナウイルスの恐怖がある中、東京五輪の聖火リレーが始まったが、これは廃止するべきだ」との見出しで記事を掲載。「聖火リレーのスタート地点である福島県は東日本大震災で地震、津波に襲われ、原発事故が起きた場所だ。これは儀式の偽善、危害、不条理を浮き彫りにしているだけでなく、日本が五輪全体を進める上での問題を象徴している」と報じている。

 その上で「聖火リレーが新型コロナウイルスの流行を悪化させる可能性がある。日本ではワクチン接種が進んでおらず、五輪が始まるときにワクチン接種が済んでいることはない。五輪の主催者は外国人の観客は日本に入国させないと発表したが、何千人ものアスリート、コーチ、ジャーナリストが入国すると予想されているのに、ワクチン接種を受ける義務はないと言っている」と問題提起した。

 東京五輪が中止になった場合、米放送局「NBC」は甚大な被害を被るはずだが、さすがに堪忍袋の緒が切れたのだろうか。