2021/3/27

【ブレークスルー】「接ぎ木」の万能選手を発見した

NewsPicks 編集委員 / 科学ジャーナリスト
2つの植物をくっつけて1つの個体にするのが「接ぎ木」だ。
古くから農業などで使われてきた技術だが、同じ種か近縁種同士でないと不可能とされてきた。
その常識を覆す、画期的な研究成果に注目が集まっている。
名古屋大学などの研究チームが、タバコ科の植物が遠縁のさまざまな植物に接ぎ木できる「万能選手」であることを発見。
さらに、この現象を詳しく調べ、接ぎ木の鍵を握る重要な酵素も発見したとして、昨年8月、米科学誌Scienceで発表した。
食糧問題の解決策の一つになるかもしれない接ぎ木。
ほぼ手つかずだったこの分野を地道な実験で切り開き、バイオベンチャーも創業した気鋭の研究者が、研究の道のりと実用化への展望を語った。
INDEX
  • カボチャの根からキュウリ
  • 農業を脅かす「ストレス土壌」
  • 「とんでもない発見をした」
  • 接ぎ木部分で何が起きているのか
  • 鍵となる遺伝子を突き止める
  • デバイスも自ら開発
  • 「接ぎ木の科学」で未来の農業を創る