コロナ禍で事業の在り方やニーズが変わる中、多くの企業が取り組むデータ分析にはどのようなアプローチの変化が必要なのか。
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COVID-19拡大の影響で、人びとの生活様式やニーズ、物流だけでなく、企業における人の働き方やビジネスの在り方も大きく変化した。企業がますます早期のデジタルトランスフォーメーション(DX)を求められる中、重要性を増す分野がデータサイエンスだ。社会全体が変化のときを迎える中、企業における広義のデータサイエンスやデータ活用のニーズや在り方はどう変わるのか。
データサイエンティストの育成に携わる武蔵野大学の中西崇文氏(データサイエンス学部 データサイエンス学科長 准教授)は、アイティメディアのオンラインイベント「ITmedia DX Summit Vol.7」(2021年3月8〜12日にかけて開催)に登壇し、「『ニューノーマル』時代を切り開くデータサイエンス」をテーマに講演した。本稿は、講演後のインタビューも含めて、その内容をお届けする。
日本企業の中には、データ駆動型経営に舵を切ろうと、データサイエンティストやデータ活用チーム育成に取り組む企業や、組織内に点在するデータをシームレスにつなげ、活用可能にしようとする企業もある。ただし、中西氏はそうした取り組みだけでは「不十分だ」と指摘する。
「データ活用の面で捉えるDXとは、リアルタイムで生み出されるデータを使って(分析)モデルを作り、現実世界で何が起きているのかを俯瞰(ふかん)的に把握することだ」と中西氏は語る。
「誰が」「どのデータ/ツールを活用し」「どのような知見を得て」「何をしたのか」というデータを収集、分析して情報(インテリジェンス)に昇華させる。こうして得た情報を元に、新たなビジネスモデルを創出したり、組織文化を再形成したりするのがDXの本質だと同氏は主張する。
その実現に向けて、同氏が重視する取り組みは大きく分けて3つある。
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