欧米vs中国、制裁の応酬 ウイグル人権侵害 苦慮する日本
毎日新聞
2021/3/24 20:16(最終更新 3/24 21:38)
有料記事
2933文字
- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
欧米諸国が22日、新疆ウイグル自治区における人権侵害を理由に対中制裁に踏み切ると、中国も直後に欧州連合(EU)に報復制裁を科した。欧米が一体となって中国と向き合う構図が鮮明になっている。
バイデン政権「対中包囲網」歓迎 EU内には協調志向も
「米国はEUの制裁措置を称賛する」。ブリンケン米国務長官は22日の声明で、自国に先駆けて制裁に踏み切ったEUをたたえた。「欧米一体の対応は、国際的な人権侵害に強い警告を発するものだ。我々は志を同じくするパートナーと連携してさらなる行動を起こす」と強く中国をけん制した。
対中包囲網の構築を目指すバイデン政権にとって、欧州側と足並みをそろえて制裁を発動できたのは大きな外交成果だ。制裁そのものは自治区の公安当局トップら2人の対象指定にとどまるが、象徴的な意味は大きい。
ウイグル問題については、トランプ前政権も強い態度で中国に是正を求めてきた。中国当局者を度々制裁対象に指定し、新疆ウイグル自治区で生産された綿製品の輸入の全面的な禁止に踏み込んでいる。ポンペオ前国務長官は、1月のバイデン政権発足前日に自治区の少数民族弾圧を「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定。ブリンケン氏も今回の声明で改めてジェノサイドの言葉を用いている。
ただ、トランプ前政権は米国第一主義に突き進み、多国間協調や同盟国を軽視。そのため人権問題に敏感な欧州側も制裁に同調しなかった。だが、バイデン政権は「同盟国は米国の資産」と位置づけ、…
この記事は有料記事です。
残り2310文字(全文2933文字)
【時系列で見る】
-
ウイグル人権問題が飛び火? 中国が綿花「爆買い」のわけ
1107日前 -
ウイグルの綿を巡る世界の分断 鍵を握るESG投資
1109日前 -
中国・王氏、茂木外相に内政不干渉求める 人権問題で 電話協議
1113日前 -
尖閣領海侵入やウイグル「深刻な懸念」伝達 日中外相が電話協議
1113日前 -
国際標準を見据え「人権外交」に踏み出す
1118日前 -
BBC北京特派員、台湾へ異動 新疆ウイグルの人権侵害を報道
1118日前 -
「ウイグルはジェノサイド」米国務省、人権報告書に明記
1119日前 -
中国の弾圧「ひどい」 ウイグル出身者に自民部会が初ヒアリング
1124日前 -
ウイグル問題、欧中の経済関係にも波及 中国でH&M不買運動
1124日前 -
欧米vs中国、制裁の応酬 ウイグル人権侵害 苦慮する日本
1125日前深掘り -
ウイグル問題「深刻に懸念」 制裁には言及せず 加藤官房長官
1126日前 -
米とEUが対中制裁決定 ウイグル人権問題で歩調そろえ
1127日前 -
米中緊張緩和「短期的には難しい」 人権や技術…日本に必要な準備
1129日前深掘り -
引けぬ米中 価値観の対立鮮明に 批判は「前菜」、焦点は協調
1129日前深掘り -
米中「根本的に対立」 台湾、香港、ウイグル 外交トップ会談
1129日前 -
「私は人種差別を生き延びた」 黒人の米国連大使演説 中国反発
1130日前 -
世界の目意識し互いに批判 米中外交トップ、プライドぶつけ合い
1130日前 -
楊氏、冒頭15分間 ブリンケン氏応酬 非難合戦の米中外交トップ
1130日前 -
EU、ウイグル問題で対中制裁へ 天安門事件以来 資産凍結など
1132日前