安倍政権後半は身内への特別扱いを疑わせる問題が相次ぐ。首相が「腹心の友」と呼ぶ友人が理事長を務める加計学園の問題もその一つ。首相の「盟友」からは早くから危惧の声が上がっていた。
2014年5月。首相の安倍晋三は、学校法人「加計学園」が運営する千葉科学大の開学10周年の式典に駆けつけ、米留学時代からの友人である学園理事長の加計孝太郎との関係をこう表現した。「どんな時でも心の奥でつながっている。まさに腹心の友だ」
7年8カ月続いた第2次安倍政権の後半期、安倍との距離の近さによって引き起こされた疑惑がたびたび政治問題化した。安倍の妻、昭恵が名誉校長を務めていた森友学園への国有地取引、加計学園の獣医学部新設、安倍の後援者が大規模招待された桜を見る会……。いずれも安倍による身びいきとも、縁故主義とも指摘された。一方、安倍はこうした疑惑に強く反論。官僚が安倍の意向を過度に忖度(そんたく)することも問題視され、「忖度」は17年の新語・流行語大賞に選ばれた。
「腹心の友」と呼ばれた加計と安倍の距離は極めて近かったようだ。安倍は首相時代の夏季休暇中、山梨の別荘に加計を呼び、バーベキューやゴルフを共に楽しんだ。首相動静に載っているだけで、第2次政権では、問題が表面化する前の16年12月までの4年間で11回食事をともにした。
動静には載っていないが15年…