2021/3/24

【直撃】なぜツイートが「売れる」のか。その裏側を解説する

NewsPicks編集部 記者
その額なんと3億2000万円。
ツイッター創業者のジャック・ドーシーCEOが、2006年につぶやいた史上初のツイート「just setting up my twttr」に291万ドル(約3億2000万円)という値がついた。
このツイートは、この1カ月世界中で話題になっている「NFT」というデジタル資産としてオークションにかけられたものだ。
NFTでは、ブロックチェーンを活用して、一つ一つのデジタル作品に唯一無二の価値を持たせ、その「所有権」を売買する。
【国光宏尚】沸騰中のNFT、ゼロから教えます
なぜ、ドーシーはこのタイミングでNFTを試したのか。
これは単なる実験にとどまらず、ドーシーが、ツイッター、そしてもう一つの金融テック企業、スクエアを通じて描く壮大なビジョンと大きく関係しているとみられている。
3億2000万円は、これから起きる壮大な革命の序章なのか。
NewsPicksでは、その真相に迫るため、今回ドーシーがNFTのオークションのために用いたプラットフォーム「Valuables」の共同創業者に直撃インタビューを敢行した。
NFTを通して彼らが実現する新たなエコノミーの神髄をご覧あれ。
INDEX
  • 「脱広告」のモデルを作る
  • 「有料知恵袋」からのピボット
  • ツイートを「売買」する仕組み
  • ジャック降臨
  • NFTが秘める可能性
  • 日本発のNFTツイートも

「脱広告」のモデルを作る

──ジャック・ドーシーがツイートをNFT化して売った「Valuables」というプラットフォームは、あなたが開発したものですね。
我々がValuablesを立ち上げたのは、2020年12月のこと。まだできて数カ月の、新しいプラットフォームです。
私はもともと、SAY Mediaというアドテクの会社でエンジニアとして働いていました。
デジタル広告業界に身を置く中で、クリエイターが自身のコンテンツを直接マネタイズできるエコシステムを作りたい、という思いを抱くようになりました。
広告は、秀逸なビジネスモデルだと思います。我々の時間と「アテンション(注意)」が商品で、それを一番高く買ってくれる広告主に売る。
この広告モデルで大成功を収めたのが、フェイスブックなどのソーシャルメディアです。裏を返せば、彼らには別のビジネスモデルに移行するインセンティブは働きません。