ビジネスも腕時計も、普遍性がポイント

PATEK PHILIPPE 7234 Calatrava Pilot Travel A Time

「一般的に、最高のものを追求するときに二者択一を迫られがちですよね。食べ物だと“おいしいけれど高価”。あるいは、フィットネスだと“体はつくれるけど通うのが大変”。健康と快楽をトレードオフするのではなく、2つを同時に享受できるサービスをつくることを企業のミッションにしています」

東さんが率いるご自身の会社、TWOについての説明を求めると、このように話してくれた。

現在の主力商品は入浴剤ブランド「BARTH」。Amazonにおいてジャンル1位を獲得したヒット商品だ。さらに、この3月には健康食の事業を立ち上げる予定もある。これも冒頭で述べたように「健康なものはあまりおいしくなかったりする」常識を超えて、リーズナブルでおいしいものを追求するという。この発想はどこから来るのか?

「一昨年までPR会社を運営していました。さまざまなクライアントの仕事をしていると、マーケティング、見せ方、会社のブランディングがいかに消費にかかわるかがわかってくる。そして、あざとく売ること、瞬間風速の大きさだけを狙った事業は続かないと気がつき、普遍的なテーマを真摯に追求しようと考えました」

現在ヒット中の「BARTH」も睡眠という課題に向き合ったもの。社会に対する睡眠不足へのアンチテーゼ、ウェルビーイングへの問いかけへとつながるものだ。

そんな東さんの腕時計がパテック フィリップの「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」である。腕時計は「自分の考えや生き様を表現できる象徴的なもの」だという考えで、しっかりとコンセプトをもって選んでいる。

「時計選びの基準は“王道”ということ。老舗で歴史あるパテック フィリップこそ王道であると以前から思っていました。そしてデザイン的に王道はシンプルな3針ですが、僕にとってはこの“トラベルタイム”が程よく感じました。デザインとしてもかっこよく、それでいて主張しすぎない感じがよいと思ったからです」

それまで順調に経営していたPR会社を離れ、ウェルビーイングという普遍的なテーマを掲げた会社を立ち上げたのは2年前。このとき、東さんは「トラベルタイム」を購入したという。

「思えば、人生の転換期のタイミングでは時計を購入していた気がします」と語る東さん。

普遍性をもったこの腕時計には、普遍性を主軸に展開する、次のビジネスに進む決意が込められている。

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6時位置には日付が表示されている。これは現地の日付を指針で表示しており、とても見やすい。

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2つのプッシュボタンで時刻を変更する。これには、誤って現地時刻を変更してしまわないように、特許をもつセキュリティシステムが備わっている。操作の前にプッシュボタンを1/4回転させてロックを解除。操作後、再び1/4回転させロックするのだ。


PATEK PHILIPPE
7234 Calatrava Pilot Travel A Time

ムーブメント:自動巻き Cal.324 S C FUS
ケース素材:18Kホワイトゴールド
ケース径:37.5mm
価格:5070000円
問い合わせ:パテック フィリップ ジャパン・インフォーメーションセンター 03-3255-8109

東 義和◎TWO 代表取締役CEO。2005年、PRを軸に企業のブランディングを行うマテリアルを設立。14年、グローバルで普遍的なウェルビーイング事業を作るためTWO設立。19年マテリアルを離れ、入浴剤「BARTH」を中心にプロダクト事業、21年ローンチ予定の健康食事業に邁進中。

text by Ryoji Fukutome | edit by Tsuzumi Aoyama

この記事は 「Forbes JAPAN No.079 2021年3月号(2021/1/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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