中国版「テスラ」の知られざる正体…自動車業界「大異変」で日本メーカーは大ピンチへ!
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取材を受けた本人として、この話、「電気自動車」の話だと思って見ないでもらえると嬉しいなあと、個人的には思っています。
特に投資文脈でNIOが大盛り上がりしたこともあり、NIOを「電気自動車銘柄」と認識するケースがありますが、ここで書いているのはそういうことではなく、「製品販売型から体験提供型に変えるモデルとして、自動車の利便性のレイヤーと、ライフスタイルや意味性のレイヤーとに分けてサービス化している」というところが重要な参照ポイントになります。
また、電気自動車の文脈でも、脱炭素社会の実現などを考えたときに結局ガソリン車の方がステーションも多く、給油時間も短いので、なかなか電気自動車が一般に普及しない。それに対して、デリバリーやスワッピングという形で展開していることで、「利便性を提供することで社会普及をもサポートしている」という点。これはスマートシティや行政にも参照可能なポイントでしょう。
このことから、株式投資の文脈で仮に同様に中国の電気自動車株を押さえても、そうは問屋が卸さないことが分かります。
本質的にNIOが評価されているのは「サービスとしてのブランド価値の異常な高さ」「国の電気自動車インフラとしての提言になっていること(だからこそNIOのみ国から追加補助金を受けている)」の両面だからです。
先日、フィンランドでWhimというサービスをやっているMaaSGlobalのCEO、Sampo氏と話をしていたところ、「人々の困っていることや理想体験を聞くとき、絶対にやってはいけないことは『車で』『家電で』などのカテゴリーを固定してヒアリングしまうことである」と言っていました。私も常々、「製品軸で考えてはサービス化は不可能」とお伝えしていますが、この事例も「自動車製造・販売」という枠組みに固定して捉えては、一切理解できないだろうと思っています。
MaaSGlobalのSampo CEOには、このイベントに出ていただきます。話を聞けば聞くほど、MaaSの概念自体を考え出し、実際にサービス化したレジェンドでした。
https://liberty-ux.com/
なお本文読んでいただけると、私は別に中国版Teslaとか、思いっきり比較しようとしてるとかいうわけではないことはよく分かっていただけると思うので、その辺は筆者の意図ではないのでご認識頂けましたら。ベタープレイスに始まり、テスラも撤退したEV電池交換方式ですが、毎年価格が下がるデフレ電池を保有するインセンティブは、ベタープレイスの頃よりも無くなってます。NIOもいつまで続けるか。
一方でEVは交換方式を諦めて、二輪車や小型EVとの共通化を目指す、ホンダやトヨタの動きが気になります。
●「交換式電池」で“無限”に走る ホンダ先導、脱炭素車を便利に
https://newspicks.com/news/5694978
人力で交換するなら10数キロが限界ですから、二輪車ならば十分可能です。
LFPのテスラ車は電池が重たいですし、今後Cell to Bodyを内製化して進める以上、テスラの交換方式復活はゼロですね。ニーオが注目させているのは来年出すと言われている初の150Kw固体電池EV 新ET7ですね。
本当に固体電池モデルが出れば、もちろん量産車としては世界初となります。
日本で販売される可能性はほぼないと思いますが、技術的なブレイクスルーを中国が世界に先駆けて行なうことになりますから、日本勢としてもうかうかしていられなくなりますね。