NY株続落、234ドル安 銀行規制緩和終了を嫌気
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これは若干ネガティブ・サプライズですね。
今回打ち切りが決まったのは、SLR(補完的レバレッジ比率)という、銀行が国債などを買うのが難しくなる金融規制の時限緩和措置。まだコロナが沈静化していない中では、3月末の緩和期限は延長されるとの予想が多く見られましたが、今回打ち切りが発表されました。
今日のNY市場では、金融株株は1%超下落、10年国債利回りは一時1.75%まで上昇しました。
緩和措置で銀行は運用を増やして儲けているとの批判があり、これに対応して打ち切りを決めたと見られますが、一方で、今後銀行は、国債や貸出等の資産を減らすとともに預金を抑制するなどの自己防衛に走るでしょうから、景気にはマイナスです。
米民主党政権の銀行に対する厳しい姿勢の一端が見える措置です。FRBは、新型コロナウイルス感染拡大後の市場の動揺を受けて導入した銀行自己資本規制を緩和する特例措置を期限の3月末で終了すると発表。大手行を対象にした自己資本規制である補完的レバレッジ比率(SLR)は、金融機関の自己資本比率規制の1つで、分子に中核的自己資本(ティア1)、分母には貸し出しのほか国債などの保有有価証券、デリバティブ取引のエクスポージャー額などを入れて計算します。
特例措置では、自己資本を増額しなくても、国債などへの投資を増やせるようにしていたのですが、今回の緩和措置終了により、金融機関が自己資本比率を上げるために、分母に来ている保有国債を売却するのではとの懸念から、長期金利が上昇(国債価格は下落)し、10年米国債利回りは一時1.75%を付けましたが、その後は1ベーシスポイント(bp)(0.01%)低下し1.7264%へ、また30年米国債利回りは3.3bp低下し2.4429%へ戻しました。
10年債利回りは1月以降80bp(0.8%)上昇していますが、上昇ペースが今後も続いた場合、10年債利回りは2.15%まで上昇すると予想している投資銀行もあります。
週間ではダウ平均が0.46%安、S&P500が0.77%安と3週ぶりに反落し、ナスダック総合が0.79%安と反落。3月月初来では、ダウ平均が5.48%高、S&P500が2.68%高、ナスダック総合が0.17%高となりました。
株式市場は依然として調整局面。金曜日は四半期に一度の先物決済日でもあり、取引量が増大しました。
因みに、1年前の3/19を境に、株式市場は大底をつけ、その後見事に反転して現在に至っています。この1年は、本当に常識の通じない混乱の連続でありました。その意味でやはりコロナ後のこれまでとは異なる新しい相場局面に入ったのかも知れません。投資家目線で見ると予め規制緩和終了とわかった時点で動く事を心に決めてたので想定内の結果だと思いますね。
政策は毎日チェックし、少しでも規制処置を取るなら
感度ビンビンな投資家達はすぐ行動するのは明白であり
いつでも動ける準備は整ってたと言えるでしょう。