大学生の就職内定率 5年ぶりに90%下回る 新型コロナが影響

この春に卒業する予定の大学生の就職内定率は、先月の時点で89%余りと新型コロナウイルスの影響で去年の同じ時期より2.8ポイント低くなったことがわかりました。内定率が2月の時点で90%を下回るのは2016年以来です。

厚生労働省と文部科学省はこの春に卒業する予定の大学生の就職活動の状況について全国62の大学合わせて4770人を抽出して調査しました。

それによりますと、先月1日時点の就職内定率は89.5%と去年の同じ時期より2.8ポイント低くなりました。

2月時点の大学生の就職内定率はリーマンショックの影響を受けた2011年は77.4%と統計を取り始めた1997年以降最も低くなりましたが、景気の回復などを背景に2014年は82.9%、2016年は87.8%と改善傾向が続き、2020年は92.3%とこれまでで最も高くなりました。

90%を下回るのは2016年以来です。

内定率を男女別でみると、男子大学生は88.1%と去年より2.9ポイント、女子大学生は91.2%と去年より2.6ポイントいずれも低くなりました。

また、短大生の内定率は82.7%と6.6ポイント、専門学校生の内定率は76.7%と10.2ポイントいずれも去年の同じ時期を下回っています。

厚生労働省は「新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化した企業を中心に採用の中止や減少の動きがあり、卒業を控えた大学生などが就職先が決まっていないケースが出ている。大学と連携して学生への就職支援を強化したい」としています。