「空間除菌」用品、10年前から問題視 「売れるから作る」スパイラル
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医薬品としての効能・効果を宣伝するためには、承認を受けないといけないのですが、科学的に客観性のある基準をクリアしなければならず、時間と多額の費用がかかります。
医薬品は、薬機法という法律で次のように定義されています。「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」(薬機法第2条1項一部抜粋)承認には、薬効成分と「診断、治療又は予防」の因果関係の証明が必要です。
市場に存在してる製品が「薬効」をうたうなら「医薬品の承認」が必要で、承認がないなら「薬効」をうたえません。しかし、記事にあるように、「健康関連」は注目されやすいので、その点での「商品差別化」が後を絶ちません。一般的な方法は、「健康的なイメージのある成分が含まれている」などの方法です。例えばコラーゲンは、現在の科学の常識では、経口摂取すると分解されるはずなのに、経口摂取するものに「コラーゲン含有」と書いて、医薬品的な「肌への効果」を暗示することなどが該当します。
わかっている販売者は、薬機法違反を避けるために、「法律に引っかからない文言」を使います。一方、にわかに販売効果に飛びついたビギナーは知識が不足しているので一線を越えます。例えば、「がんに効くキノコエキス」は完全に薬機法違反で、これを口上として「健康食品」を販売した場合は、罪に問われます。
空間除菌も、常識的には、置くだけで「大空間」が除菌されることはありえませんし(「空間」の定義もあいまいですね)、逆に人体に害を及ぼす可能性は未検証です(医薬品には検証義務付け)。もとより、菌とウイルスは全く異なる性質を有するものですので、このような科学的性質を研究成果により説明することなく売られている製品は、「すべてまがいもの」と思ってまず間違いありません。
空間除菌の場合は、薬効は謳っておらず、性質の説明だけなので、薬機法違反では罪に問えませんが(健康に有益であることはそもそも未確認)、詐欺的商法には違いなく、「国民生活センター」の役割となります。しかし、「国民生活センター」は、多くの事例が集まってからでないと動かない性格をもつので、非常に腰が重く、頼りにするよりも各自注意することが近道でしょう。このような製品は、「おまじないとして買いたい方はどうぞ」という感覚です。私がこのような製品を買うことはありません。イソジンの件もそうですが、「○○が××を除菌(除ウイルス)する」というデータが本当であっても、「○○を使うと感染症にならない」ことが実現できるとは限りません。むしろできないことのほうが多いです。
たとえば試験管内で実現されたものであれば、クリーンルームなど、その効果を出すために理想的な環境で実験が行われることがあります。
でも実際の環境では、風が吹き、湿度もいろいろ、空気中には、邪魔になるようなちりなどの物質が大量にあります。こうした実際の環境下で人体に効果を発揮できるかどうかを調べるには、非常にお金も時間もかかりますし、うまくいくかもわかりません。
販売側の立場に立つと、そこに投資するより「実験室では効果がありましたよ」という、ある意味の「ファクト」だけを提示したほうがコスパいいかな?という判断になるケースもあるかもしれません。消費者側にとっては、それが実験室レベルの話なのか、それとも人体にとっての有効性・安全性までを調べたものかを気にする態度が重要になります。まぁ、ポンと置くだけで、菌やウイルスが消滅してくれるならば→しかも人に害のある菌やウイルスを消滅出来れば、コロナ禍もないと、冷静に考えれば分かりますよね。
仮にウイルスや菌を消滅させるくらいな殺菌力ならば、赤ちゃんや犬🐶、猫🐱、金魚、ハムスターとか家の中にいる生き物にもダメージ与えるだろうと、考えませんか?