婚礼大手「ワタベ」、経営再建目指し私的整理へ…海外リゾート挙式の先駆け
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19/12期には純資産111億円・純資産比率44%と、相応に体力があっただけに、ウエディング業界が縮小傾向とはいえ、すぐに経営危機に陥るという危機感は、金融機関も含め、さほど高くなかったのではないかと思います。
1年で短期借入金が16.6億円増加していることから、取引金融機関も、コロナを乗り切れば回復可能と考えていたのかもしれませんが、想像以上にコロナが長引き、先に体力が尽きたというところでしょうか。
私的整理ということで、ワタベ側としては債務の一部免除を求めたいところでしょうが、金融機関としてはそう簡単に免除はしたくないと思いますので、期日猶予か、よくてDES(Debt Equity Swap)に応じつつ、スポンサー(売却先)を見つけるということに落ち着くのではないかと。
ただ、ウエディングと親和性が高いと思われる業界はどこもコロナ影響を大きく受けているので、スポンサー探しのハードルは高そうですね。
注目のコメント
飲食業がいろいろ言われていますが婚礼も厳しいですよね。。
聞き慣れないと思うので、事業再生ADRについて説明。
民事再生とか会社更生とかは、裁判所の関与のもとで行われる債務の整理(減免)手続きです。(=法的整理)
それに対して事業再生ADRは、裁判所は関与しないものの公正な立場の第三者(通常は弁護士)が関与する形で、あくまで関係当事者間の合意に基づく債務整理手続き。(=私的整理)
一番大きな違いは、商取引債務(例えば仕入代金)の減免をするかどうかです。法的整理では債権者間の公平性が重視されるので借入金等の金融債務と同条件で商取引債務も減免されます。これに対して私的整理では、ビジネスの安定した継続性を重視して商取引債務は基本的に減免しません。
商取引債務をカットしてしまうと、その後仕入取引ができなくなったり、現金仕入れが必要になったりと、ビジネス継続上の支障が大きくなることを考慮したものです。
ただし、その分、金融機関へのしわ寄せが大きくなるので、金融機関が減免に応じてくれるかどうかがカギになります。
また、法的整理では、債権者の多数決で決まっていくことが基本なのに対して、私的整理では全債権者の同意が必要(※)だったはずです。この点、ひとりでも反対が出ると計画が成立せず、法的整理に移行することがほとんどです。
(※)ADRでも多数決制度を導入しようという議論が相当あったはずですが、導入はされていないと思います。ちゃんとフォローしていないので間違っていたらごめんなさい。一般的な「倒産」とは異なりますが、消費者から見たイメージダウンは避けられません。それでも事業再生ADR手続きを選択せざるを得ないほど、経営環境が厳しいということでしょう。
近年の法的整理(倒産)回避の流れの延長線上にありますが、コロナ禍の影響が深刻な上場企業において、事業再生ADR手続きを申請するケースが今後増えていきそうです。プライベートなコメントで恐縮ですが、私の結婚式もワタベウェディングさんにお世話になって海外で挙げました。当時は海外のウェディングならワタベさんしかなく、市場を独占されていた印象でした。今回のニュースは、新型コロナの影響が大きいですね。海外渡航+大勢が集まるウェディングと二重の打撃だったと推察します。いつか海外ウェディングが再開する世の中になるといいですね。