東芝の臨時総会、「20年決議を再調査」の株主提案可決
東芝は18日、臨時株主総会を開いた。2020年の総会の運営に問題があったとして第三者による調査を求める株主からの提案が可決された。今後、3人の弁護士が3カ月かけて調査し、6月の定時株主総会で結果を報告する見通し。企業統治を巡る株主提案が可決されるのは異例だ。
議案は筆頭株主でシンガポールの投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントが提案した。東芝が20年7月に開いた定時株主総会で、議決権行使の結果に不自然な点が多いとして、調査する弁護士3人の選任を求めた。
20年の総会では議決権の集計を請け負った信託銀行が、期限内に届いたものとして扱う必要のある一部の議決権を期限切れとして無効としていたことが明らかになっている。エフィッシモは圧力を受けて議決権行使を断念した株主がいるとも主張している。
東芝は株主提案について、議決権の集計作業には関与しておらず、圧力についても監査委員会の調査で認められなかったとして反対を表明していた。ただ米大手議決権行使会社が株主提案に賛成を推奨、米国最大の公的年金カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)も賛成するなど、エフィッシモ以外にも賛同が広がり、過半数の賛成を集めた。
総会では米運用会社ファラロン・キャピタル・マネジメント系のチヌーク・ホールディングスも株主提案していた。東芝が20年11月に改定した中期経営計画で投資戦略を変更したことに株主還元にも影響がでると主張。資本政策を変更する際に株主の了承を得るよう定款の新設を求めていたが、議案は可決に必要な3分の2の賛成が集まらず否決された。
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