[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米ゲームストップ株などを巡り最近起きた熱狂的な取引について、証券取引所の幹部らは16日、個人投資家の影響力が拡大する中、米市場の欠陥と課題を浮き彫りにしたと指摘した。

米先物業界団体、フューチャーズ・インダストリー・アソシエーション(FIA)が主催したオンライン会議のパネル討論会で見解を示した。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)などを傘下に持つ米インターコンチネンタル取引所(ICE)のジェフリー・スプレッチャー最高経営責任者(CEO)は「米国株式市場の規制構造には欠陥があると思う」と発言。

規制当局は最良の価格を求める買い手と売り手の間ではなく、ブローカーや取引所といった市場仲介者の間の競争に焦点を当ててきたが、今回のゲームストップの事例はその構造上の問題点を露呈したと語った。

米市場では1月、個人投資家がソーシャルメディアで連携しゲームストップ株などへの買いを集中させ、空売りを仕掛けていたヘッジファンドに対抗。株価が急騰し、空売り筋に大きな損失をもたらした。

また、熱狂的な取引を受け、追証が発生したことから複数の証券会社がゲームストップ株の売買を制限するなどの事態となった。

スプレッチャー氏は「将来的に規制当局が懲罰的なルールを撤廃し、市場自体が仲介構造に対処できるようになることを期待する」と述べた。

シンガポール証券取引所(SGX)のロー・ブーン・チャイCEOは、個人投資家がオンラインで連携する中、何が許容できない取引行為なのかを見極めることが課題だと指摘。

米先物取引所運営大手CMEグループのテリー・ダフィーCEOも、個人投資家のオンラインを通じた行動に関しては市場操作に定義されておらず、「懸念事項だ」との見解を示した。