[15日 ロイター] - 米メディア大手ニューズ・コーポレーションは傘下の豪新聞の記事使用料に関し、米フェイスブックと3年契約を結んだと発表した。金銭面など詳細は明らかになっていない。

米ネット大手が記事の対価を支払う必要性が取り沙汰される中、同社では、メディア側の取引条件を一変させる画期的な出来事とした。

豪議会は先月、フェイスブックと米アルファベット傘下グーグルに国内報道機関へのニュース記事使用料の支払いを義務付ける法案を可決した。

カナダや英国なども自国のメディア企業を保護するために同様の措置を検討しており、豪政府による法制化の動きは世界的に注目を集めた。

ニューズのロバート・トムソン最高経営責任者(CEO)は「フェイスブックとの合意はジャーナリズムの取引条件を一変させる画期的な出来事で、オーストラリアのニュース業界に重大で有意義な影響を及ぼすだろう」と強調。10数年来の悲願だとした。

ニューズは2月にグーグルと有料での記事提供で合意。サブスクリプション(定期購読)用プラットフォームの開発、グーグルの技術を通じた広告収入の共有、動画投稿サイト「ユーチューブ」を使った映像による報道活動の開発などに共同で取り組むとした。

フェイスブックとの合意は豪全国紙オーストラリアンとシドニー都市圏向けのデーリー・テレグラフ紙などが対象。スカイニュース・オーストラリアも新たにフェイスブックと契約を結んだ。フェイスブックはニューズ傘下の米紙に関し、2019年10月にニュースポータル「フェイスブックニュース」での追加的な記事使用で利用料を支払う合意を結んでおり、この延長になるとした。