コロナ禍でライブイベントは恒久的に変わった--業界関係者に聞く今後の展望
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閉鎖的な空間であったライブイベントが、コロナ禍によって多くのアクセスが可能になったという進化は利用者としても嬉しい限りですが、オンラインを活かしやすいライブイベントと、オンラインを強化する事でオフラインへの集客が難しくなるライブイベントがあるように思います。
先日自宅に友人2人を招いた際、2人はおもむろにTWICEのオンラインライブ(1人4,000円)をテレビで鑑賞しはじめ、曲が始まるや否や大絶叫。さすがに「もう少しボリューム下げれる?ダンスやめれる?」と空気読めない事を言うと、2人はやるせなさそうな表情に。でもこうしないと私の近隣住民付き合いは破綻するわけです。
と、ここで2人の感情を考えてみると、まず4,000円支払ったライブを2Dの限られた画角で、音量を抑えた状態でしか視聴ができない。数万人規模の空間で何の遠慮もなくしていたシャウトが家ではできない。これには日頃の鬱憤を晴らす意味合いも含まれていたはずであろう。下の階の住民を気にするあまりステップを踏んでリズムを刻む事もできない。隣の席の他人と盛り上がって仲良くなることもできない。
これはオンラインでの再現性が低く、気軽にライブに行ける人(健康で都心部に住んでいる)からすると満足度は高くないような気がします。
では反対に、この2人がクラシックコンサートをオンラインで鑑賞していたらどうなりそうなのか考えてみます。
公演中の隣の人との会話はマナー違反ですが、自宅での鑑賞であれば友人との会話をしながらでもコンサートを楽しむことができます。また空間を楽しむというよりは音を楽しむ事がメインになるので、必ずしもVR空間である必要もなさそうです。結果としてオフラインよりも自分の好きな空間で、マナーに縛られる事がないという意味では、オンラインの方が満足度が高くなる可能性すらありそうです。
このようにオンラインでの再現性が高ければ高いほど、オフラインでの集客は難しくなります。オンライン集客をメインにするのか、それともオフラインでの集客を見込んでオンラインでは限定的なコンテンツしか出さないようにするのか、逆にポップシーンのように再現性が低いコンテンツに関してはオンラインに力を入れすぎると意図しないところで満足度が低下し、ファンを離してしまうリスクが大いにあるという事を認識しておく事が大切そうです。
注目のコメント
今後たとえマスクなど気にせず生活するようになったとしても、ライブと配信を同時に行うハイブリッドがメインになるでしょう。配信の方が確実に全世界に届くことがわかってしまったので。
しかし、ライブと配信は別のプロダクトだと思います。ライブの良さが何で配信の良さが何かをよく考えてそれぞれの良さを生かした制作が必須になっていくでしょう。
個人的には長い動画をハコで見るのが辛いので、ことにカンファレンスなどは書き起こし(自動でいい)が添えられていると検索もできるし情報が取りやすくていいよなぁと思う次第です。この1年で、楽しみにしていたLIVEが何度も中止になり落ち込んだのと同じくらい、オンラインで配信されるクオリティーの高いLIVEに家でリラックスしながら参加できる楽しさも知った。コロナによって強制的に行われた変化だったけれど、この記事にもあるように、それによって今までLIVEにアクセスできなかった人にも、質の高いコンテンツがオンラインだからこそ届けられるようになった。
変化の中で生み出した新しい形と、変化の中でも決してなくならないやっぱり必要だと思える形の、2つが登場したこれからの世界はとってもワクワクするなと思う。今閉鎖的な状況の中だけど、エンタメを一歩踏み込んで考えるようになってきた、ということでしょうか。
テクノロジーの進化によって、制限されていたことを、少しでも解放したいトライアルはこれからも続くよ、という話です。
ここでも触れていますが、DXで出来ることとそうでないこと両方が融合することによって生まれる何かを模索しているひとつの例です。
国内ではサカナクションが好例ですよね。
ライブ・エンタメは常に演者と観客の双方向性が必然要件。
配信事業が盛り上がってきていますが、リテイクできるものに観客は面白みを感じないため、ライブ配信が増えてきています。
最近は動員数の制限などの感染予防策を取って実施される公演も増えてきました。
新しい生活様式ならぬ、”新しいライブ様式”はもう当たり前かもしれません。
大好きなアーティストに会えるのであれば、以下の協力は惜しみませんよね。
・オール着席
・チケットにはトラッキングできる用に個人情報を記載
・マスク着用
・途中休憩(換気)
・アプローズ(拍手)はOK
・おしゃべりNG
もうすでに公演を行なっているアーティストの話では、
公演することでのクラスター発生やそれを危惧するバッシングが心配だったけれど、
お客さんの大きな拍手で、無言だけども手が痛くなるんじゃないかってほど大きな拍手を聞いて胸が熱くなった、
それで自分たちも精一杯応えるパフォーマンスにしたい、てテンション上がったそうです。
とはいえ、エンタメ事業者が継続的に営業できるほど状況はまだ改善できていません。
収益性を上げるために、それこそテクノロジーが活用されるのです。
・ライブ会場に入ることができるプレミアムチケットで生参加
・会場には入れないけど、ライブ配信チケットで配信参加
・バーチャル空間でのみ開催される空間に入るバーチャル参加
チケットでの収益性は大事です。
また、ファンとの関係性を深めるグッズの収益がとても大事なので、
こっちをどうにかしなくちゃなんですよね。
Tokyo Girls Collection のライブとコマースは参考になります。
双方向性がDXで、収益性をどこまで見込めるか楽しみです。