YOASOBI再登場で話題の「THE FIRST TAKE」に学ぶ、盛れないコンテンツの時代。
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最近、ファーストテイクのYouTubeチャンネルに、次男と妻がすっかりハマっているので、刺激を受けて記事を書いてみました。
我が家はここからYOASOBIとか鬼滅にハマっていった印象があるぐらい、YouTubeでしょっちゅうリピートしてたりします。
今では私もすっかりファンなんですが、歌のクオリティの高さはもちろんのこと、歌う前の緊張感と、歌い終わった後の安堵の表情のギャップがスゴイです。
ライブとはまた全く違う緊張感なんでしょうねぇ。
注目のコメント
新作が出るたびに息子がかじりついて見ています。
作り込んだグローバルで通用するハイクオリティなものと、「素材感」(編集していない、まんまのもの)の二極化が進んでいます。
素材といえど、もちろん「どこを切り取った素材か」が大事になりますが、身近に、同じ時を生きている人と感じる空気が時代とリンク。
編集や加工など、「盛る技術」が誰でも簡単に手にできるからこそ、より「そのままの素材」や、「どうなるか分からない先が見えないリアル」への価値も高まっているのだと思います。私もファンですが、THE FIRST TAKEが支持されているという事実は、最近のネットユーザーは「ありのまま」の情報を信頼するということな気がします。
私がとある新規事業の開発のためのユーザーインタビューをやったときの話ですが、最近のネットに慣れた人たちは、ネットに掲載された情報を鵜呑みにしない傾向、企業のウェブサイトに掲載された商品を支持する顧客の声を嘘くさいと思う傾向があることが明らかになりました。
同時に、そういう人たちは、ネットの情報のロジックや仕組みに対して納得感を感じた時にその情報を信頼する傾向や、メリットだけでなくデメリットを説明された時に信頼する傾向も明らかになっています。
インターネットの発達により、情報を得るコストがゼロになった代わりに、情報の信頼性が低下し、ユーザーが、ありのままの真実味のある情報を求めているということかなと。ワンテイクの緊張感とアーカイブ性の高いメディアとの親和性が成功のミソなんでしょうね。
プロの息遣いを、プロの緊張感を目の前で体験できる、新しい鑑賞の様式が始まったといえるでしょう。
ライブでのVibesであったりの体験エンタメならではの”ワンタイム”エンタメは、その場に居た人だけが感じられるものですが、
このThe First Takeは演者側が感じているであろう一回こっきりの雰囲気を観ることができる、ヤラセなしリアリティショー。
面白くないわけがない。
ただし、この手法が活かされるのはメジャーになってきたアーティストに限るかもしれません。
プロジェクトX的なストーリーが前置きにあれば、誰でも成立する気がしますが、音楽はその曲を聴いて評価される時間芸術。
前段ありき、というのは興が削がれるように思います。
でも。
アーカイブできるワンタイムセッションは面白い。
これからもっと楽しめそうですね。
音楽だけでなく、書道やBanksyのようなアートも、
完成していく様を時間軸とともに観ていくことで新しいインスピレーションが湧くかもしれません。