[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日に発表した貿易収支によると、英国の欧州連合(EU)離脱の移行期間が終わった後の1月に、英国のEU向け物品の輸出が前月比40.7%減、EUからの輸入が28.8%減と、ともに過去最大の落ち込みを記録した。

統計局は、1月は新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためのロックダウン(都市封鎖)が導入されていたため、EU離脱に伴う新たな関税手続きの影響が見極めにくいと述べた。集計方法も変わったという。

それでもEU離脱による打撃の兆候はあった。化学製品の取引は特に落ち込み、移行期間終了前に企業が在庫を積み増した反動が出た。

魚介類を含む食品と家畜のEUへの輸出は64%減った。統計局によると、スコットランド海産物協会は新たな手続きで遅れが出たと指摘した。手続きに従来の6倍の時間がかかったという。統計局は「1月初めの貿易遅延の一部は、新制度への移行期末の混乱が影響している可能性がある」と指摘した。

英国の対EU交渉担当者だったデービッド・フロスト氏は「1月は特殊な要因が組み合わさったため、異例な統計となった」と話した。

EU域外国を含めた1月の物品貿易赤字は98億2600万ポンド(137億ドル)で、前月の143億1500万ポンドから縮小した。

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