[東京 12日 ロイター] - 楽天グループと日本郵政グループは12日、資本・業務提携で合意したと発表した。物流やモバイル、DX(デジタル・トランスフォーメーション)などでの連携を強化する。日本郵政は、楽天による第三者割り当てを引き受ける形で出資をする。日本郵政の他、米ウォルマートや中国テンセントの子会社も引受先となり、楽天は合計で約2400億円を調達する。

<日本郵政の持ち株8.32%に、今後は金融分野でも提携>

日本郵政が引き受ける株式の総額は約1500億円。楽天への出資比率は8.32%となり、日本郵政は、楽天の三木谷浩史会長兼社長の親族や同社長が代表を務める会社に次ぐ大株主になる。

会見した三木谷社長は提携について「日本のビジネス界、産業界、そして日本の社会にとって、歴史的な1ページになる」と説明した。

今回の提携で、新会社設立を含む物流DXプラットフォームの共同事業化、郵便局内に楽天モバイルの申し込みカウンターの設置、楽天から日本郵政にDXに精通した人材の派遣などを進める。

今後は幅広い分野での提携を深めていく予定で、同席した日本郵政の増田寬也社長によると、キャッシュレスペイメントや物販分野などでの協業を検討しており、4月をめどに発表する予定という。

楽天と日本郵政傘下の日本郵便は昨年12月、物流事業で業務提携すると発表していたが、提携のレベルを深めるため、今回資本提携が必要だと判断した。

<米中企業も出資、増資分はモバイル事業に充当>

楽天は第三者割当増資で2423億円を調達する。日本郵政の他、テンセントの子会社イメージ・フレイム・インベストメントに約650億円、ウォールマートに約166億円をそれぞれ割り当てる。これにより、イメージ・フレイム・インベストメントの持ち株比率は3.65%となる。

調達した資金は、楽天モバイル株式会社への投融資資金に充当する予定という。

*会見でのコメントや第三者割当増資の詳細を追加し再構成しました。

(新田裕貴 編集:田中志保)