[ニューヨーク 10日 ロイター] - 国連安全保障理事会は10日、ミャンマーの抗議デモ参加者に対する暴力を非難し、国軍に自制を促す声明を発表した。ただ、先月の軍事クーデターを直接非難したり追加措置を示唆する文言は、中国やロシアなどの反対で盛り込まれなかった。

声明は「女性や若者、子どもを含む平和的なデモ参加者に対する暴力を強く非難する」とし、「軍に最大限の自制を求め、安保理が状況を注視していると強調する」と表明した。

英国が作成した原案にあったクーデターに対する非難や追加対応の示唆は、中国、ロシア、インド、ベトナムの反対で削除された。

ミャンマー国軍の報道官はコメントの要請に応じていない。

国連のグテレス事務総長は安保理の声明によって、国軍に対し、拘束した全ての人を解放し、昨年11月の選挙の結果を尊重することが「絶対に必要」との認識を促したいと表明。クーデター前もミャンマーは「完全な民主主義」ではなく軍の支配力が強く、選挙の不正を主張してクーデターを起こしたのは理解し難いと語った。

ミャンマーの政治囚支援協会によると、2月1日のクーデター以降、治安部隊の弾圧でデモ参加者60人以上が死亡し、約2000人が拘束された。国営テレビのMRTVは著名な若者のデモ指導者の一部に逮捕状が出されたと報じ、指名手配された29人のデモ参加者の写真を映し出した。デモ隊は国際社会に保護と国軍への対応を求めている。

米政府は10日、ミャンマーの軍事クーデターを主導したミン・アウン・フライン国軍総司令官の子ども2人とその支配下にある企業6社を制裁対象に指定した。国軍による抗議デモ参加者への弾圧が続く中、圧力を一段と強めた。ラーブ英外相はツイッターへの投稿で、英国も追加制裁を検討していると明らかにした。

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