パイオニア、地図情報子会社売却 ファンドに300億円で
コメント
選択しているユーザー
パイオニアの地図情報子会社自体も今なら単体で十分な価値あるけど、より統合的で領域横断的なシステムと知の統合をする上での英断、こういう動きが日本初で出てくるのはいいことだとは思うけど、製造寄りではない知の統合への大胆な投資にはまだやはり外圧を必要とするって構図は残念なところ。
注目のコメント
インクリメントPは、パイオニアのクラウンジュエルと長く言われてきており、EBITDAも30億円程度出ている優良黒字事業でしたので、確かに売却した後にどうなるのか、という点はポイントでしょう。
注目すべきは、売却して得たキャッシュの使途として、「業務用車両の運行管理サービスなどへの投資資金を確保し、経営再建を急ぐ」「新規事業の育成に向け、カーナビや車載カメラ、地図情報をサーバー上で連携し、営業車両の運行効率化や事故削減につながるサービスに取り組んでいる」と書かれている点です。これはBtoB版のUber(と言うと少し違うかもしれませんが)のようなイメージでしょうか。
パイオニアは1年前に新社長に矢原史朗氏(以前は日本エア・リキード、ベインキャピタル、GE、伊藤忠)を迎え、経営改革に取り組んでいる状況ですので、今後の戦略に注目したいと思います。
尚、Bearing Private Equity Asiaについては、田中慎一さんがコメントされていますが、大型と言える案件だけでも、2014年の武州製薬(773億円)、2016年のジョイフル本田(389億円)と、2019年の本件のパイオニア(1020億円)以前からトラックレコードはあるファンドです。
ただ、パイオニアについては、Bearingにとっても重要な案件のはずですので、どのようにバリューアップを果たしていく戦略なのか注目されますね。ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアが買収したときの高い買収金額の裏付けは、ほぼ今回売却対象とされたインクリメントピー社の評価額と言われていました。
ベアリング社は日本進出してからそれなりの年数を経ていますが、大型案件としてはパイオニアが初であり、実質的にデビュー戦です。
トラックレコードがモノを言うファンドビジネスなので、デビュー戦でしくじると、その後の日本での事業拡張は難しくなります。
やや迷走気味なので、大きなお世話ですが、ちょっと心配しています。ついに売ってしまいましたね。こちらを残して経営資源を集中すれば良かったのに。
日本にはご長寿企業が多いけれど、長寿の秘訣は時代に合わせてしなやかに業態を変えていくことであって、祖業にしがみつくことではありません。