はじめに

筆者らはJSTによるCREST「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開」という研究領域の中でプロジェクトを進めている.この領域では「インタラクションの研究分野をより広く“ネットワークにつながれた環境全体とのインタラクション”として捉えることが重要になってきている.特に情報環境の知能化や人間拡張技術の進展により,環境知能と拡張された人間が共存する新しい共生社会のインタラクション(共生インタラクション)をデザインすることが急務」として様々な研究プロジェクトが進められている(JST CREST).

HCI(Human Computer Interaction)研究の泰斗であるStanford大学のテリー・ウィノグラードは,自身の最終講義の中で,HCIにおける技術の歴史は“What is Human?”という問いの歴史でもあるとその大局観を述べた(Winograd 2013).であれば,技術によって人間と環境を拡張し共生インタラクションを作り出してゆく際にも,この問いが立てられるはずである.その呼称を「Augmented Behavior Chance(以下ABCプロジェクト)」とした我々の研究チーム「限定合理性を超越する共生インタラクション基盤」では(JST CREST ABCプロジェクト),ハーバート・サイモンが提唱した限定合理性(サイモン 1999)をユクスキュルの機能環を下に塩沢が再構成した視野の限界・合理性の限界・働きかけの限界(塩沢 1998)をその人間観として用いている.塩沢は,この3つの限界から,経済行動は最適化行動ではなく満足解からなる定型行動となり,個人は自身が持つ定型行動のレパートリーの中から選択し行動していると考える.そうした人間観をふまえ,ABCプロジェクトにおいては定型行動の変化=新たな行動へジャンプする契機を情報通信技術によってもたらすべく,センサによる個人の感情の推定,ビッグデータの可視化,非人間型ロボットによる動的な空間構築,などによってそれを実現しようとしている.

この研究を行う前提となっている情報通信環境と物理環境が統合された環境は,スマートシティ,デジタルツイン,サイバーフィジカルシステム,Society5.0など,さまざまな呼ばれ方がされている.そうした未来の環境においては,人々がこれまでに体験したことがない行動が多くの人々の定型行動になって初めて,人間が拡張されたと言うことができるだろう.ヒュー・ケナーは著書「機械という名の詩神」の中で,新しい機械技術やその価値観がどのような文学作品を生み出したかについて述べ,詩人のT.S. エリオットが時計や電話,鉄道といった技術を使う群衆や通勤者の姿を観察した様子を紹介した(ケナー 2009).

新奇だったのは通勤という形態である.時間で管理されていたため,通勤は何千もの人びとをひと所に収束させた.そこでは,人は個人の時間にしたがって行動していたものの,それはほかのすべての人が共有する時間でもあった.人類がこれほどの規模で抽象的なものを共有したことはなかった.通勤によって同席したさせられた人びとは,互いを知らないばかりか,自分たちがなにを共有しているのかさえ気づいていなかった.

通勤や通学は,当時の最新技術であった鉄道が大量に人間を運ぶことで現れた,かつての新しい定型行動であり,新型コロナウィルスとZoomやTeamsといったコミュニケーションツールによって忘れられてゆくかもしれない定型行動である.

ユクスキュルは主体としての動物と客体としての環境との交渉を機能環という図式で整理した(ユクスキュル 2005).何をしようとしているかという状態・トーンの違いに応じて主体が環境から記号を知覚し,得られた知覚記号を主体の内的世界において処理を行い,そしてその結果から環境に作用を及ぼす行動を行うというサイクルを,機能環と名付けた.そこでは,生物はすべてが客体として客観的に記述される環境の中に生きているのではなく,生物の種によって異なる知覚器官と作用器官に従って環境が受容された環世界(Umwelt)を生きており,さらに知覚は各個体の作用トーンによって様々な意味に変容し,それぞれの主体にとって異なる多様な環世界を生きていると考える.塩沢は人間の合理性の限界をこの機能環と環世界の考え方に結びつけた.人間の外部世界との交渉が機能環の図式で理解できるとすれば,前述した3つの限界が機能環の受容器官,内的世界,作用器官に対応するとみることができる.人間は動物と異なり,さまざまなメディアや道具を発明し知覚器官と作用器官を延長・補強し,言語によって内的世界を広げることで,その能力は生得のものとは格段に異なる大きな能力を得てきたが,経済規模に比べればそれらはまだまだ圧倒的な制約の中にあり,それが最適解ではなく満足解としての定型行動の選択を導くとしている(塩沢 1998).

新たな技術が生活の中に織り込まれるに伴って新たな定型行動が生まれていることをこの考えを下に捉え,限定的な合理性を持つ主体の環世界が更新されていると考えれば,そこでの主体の知覚世界と内的世界も同様に更新されているはずである.そして知覚世界と内的世界においても「知的な定型活動」があるとすれば,スマートシティ,デジタルツイン,サイバーフィジカルシステム,Society5.0などと今は呼ばれている未来の環境においては,人々の知的な定型行動ひいては知性も更新されるのではないか.本稿では,ABCプロジェクトの内容を紹介しながら,まだ見ぬ環境とそこで引き出される知性の可能性,そしてそれらのデザインアプローチについて述べてみたい.

スマートシティとキノコとブッダ

パーソナルコンピュータやインターネットが世界に広まろうとする時,新しい道具と環境が人類をどのように変化させどのような知性を引き出すのかといったことが多く議論された.我々の研究の前提となっている新たな環境はどのようにデザインされ,人々にどう生きられていくのか.ビッグデータに基づいたAIを搭載した自動運転車やロボットなど,移動能力を備えた機械知能が私たちの身の回りに存在する未来はすぐそこに来ている.その知能や能力がシンプルで限定的だとしても,それがある量を越えて風景の一部となった時,人間のどのような知性が引出されどのように拡張されていくのか.そうした議論を行うべく,ABCプロジェクトの一環として「スマートシティとキノコとブッダ」と名付けたプロジェクトを立ち上げ,様々な分野の方々との座談会を行い,その内容を公開している(中西 2020).そのネーミングは少し奇異に映るかもしれないが,未来の環境においても共存するだろう人間とは異なる知性を持つ他者達の象徴として,キノコとブッダを取り上げた.

キノコは動物でも植物でもない菌類に属している.土や樹の中にいる菌糸がキノコの本体であり,キノコは胞子を飛ばすための菌糸の仮の姿のようなものである.ふだん人の目に見えているキノコは全体のごく一部分で,その実態は土の中に菌糸を張り巡らせて存在している.その目に見えない菌糸のネットワークと目に見えている一部分の関係が,都市のおけるサービスのあり様を考えるためのひとつのメタファーになると考えた.自動運転車や配達ロボットなど,情報処理能力と移動能力をもつオブジェクトのネットワークが街を覆い尽くす状態になると,どういうアルゴリズムでそれらが街中を駆け抜けているのかは分からないまま,末端のサービスを受けていく新しい都市体験が生まれるだろう.キノコは決断能力と記憶能力を備えているという研究成果が発表されており(Fukasawa 2019),また,地球で最大の生物はキノコであるとも言われている(Scientific America 2007).シンプルで限定的な知性がネットワークされ我々を囲んでいながらも,その全体を人類は理解し切れない.当プロジェクトではそうした知性の象徴としてキノコを捉えている. 

人間は必ずしも合理的に振る舞うわけではなく,行動経済学の様々な研究はそうした実験結果を示している.先述したようにハーバート・サイモンはその合理性の限界を指摘し,行動経済学の源流となった(サイモン 1999).時間や空間のスケールを変化させれば,合理性の判断の根拠は変わってくるが,人間のスケールから宇宙のスケール,過去・現在・未来を行き来して思考する超越的な知性の象徴としてブッダを捉えている.スマートシティを覆うセンサのネットワークは,人間では捉えきれない広範囲な視野を持つトップダウンな知性としてイメージすると理解しやすくなるだろう.その際に,キリスト教やイスラム教のように宇宙のどこかにいる絶対神がわたしたちを見守っているという一神教的な世界観ではなく,鎮守の神様のようにエリアを限定したローカルな神様がポツポツといる世界観があっても良いはずだ.人智を超えた知性と付き合う方法は,技術革新が進んでもあまり変わらないのであれば,様々な文化の中でこれまでに存在してきた方法の延長線上で理解されてゆくだろう.アジアそして日本であれば「仏様」「鎮守の神様」などのメタファーによってスマートシティの理解のされ方が固有の文化と接続されることもあり得るはずだ.

スマートシティを漢字で訳すと「知的都市」や「知能都市」などいくつか表現があり得る.Artificial Intelligenceを漢字に訳すと日本語では「人工知能」が一般的だが,中国語圏では「人工知慧」と訳すこともあるようだ.この「人工知能」と「人工知慧」とでは,漢字が表しているニュアンスが少し異なるように思う.同様に,スマートシティを「知的都市」と訳すのか「知慧都市」と訳すのか,はたまた「機知都市」や「叡智都市」と訳すのか.叡智都市を「Wisdom City」と再び英訳し直すと,そのイメージはSmart Cityとは異なったものになるだろう.近代的な都市計画に労働環境の向上や疫病感染防止などの目標があったように,都市計画の中には人間の生活をより良くしようという目的があった.センシング機能などに裏付けされた超越的な知性があることで,ゆずりあいの精神が発揮されたり思慮に富んだ判断がなされるようになったり,人類総体としての知性や徳が上がるのであれば,スマートシティはウィズダムシティとなり得るだろう.

人智を超えた知性としてのキノコとブッダに挟まれた時,いま現在の人々の定型的な行動ひいては知性は,どのように変化するのか.それこそが,人間中心主義によっては到達できないところに存在する「限定合理性の超越」を意味するのではないだろうか.そうした議論を行うべく,座談会での主なトピックは「これからのデザインの行方・ポストヒューマンセンタードデザイン」「自動運転車・ロボット・AI」「スマートシティ・ランドスケープ」「非人間的な知性達と紡ぎ出すエコロジー・マルチスピシーズ人類学」「人知を超えるものと付き合う・非合理的に思考し生きる術」を設定した.

初回の座談会はプロジェクトメンバーによる鼎談を行った.そして初回のゲストとしては,「ポストヒューマンの時代がもうすぐやってくる,デザイナーはその準備をしておかなければならない,人間を中心に考えたデザインの宿命を反転しなければならない」と,著書『遥かなる他者のためのデザイン』(久保田 2017)の中で述べている多摩美術大学の久保田晃弘氏をお迎えした.道具から自律した存在として動作するようになるAI・ロボットとしてのコンピュータ,超知能や地球外の知的生命体までも含んだ「他者」によって引き出される人間の新しい身体性と知性,人類を相対化しながら人類について考えていくための方法,そしてデザインの可能性について,議論を行った.人間中心主義とは異なる考え方としての「人間周辺主義」,新しいモノ・わかりえないモノと共存し始める時に用いられる新しいメタファーの重要性などについて論じた.

第2回目のゲストは,デジタルエージェントとフィジカルエージェントが共通の認識を獲得できる情報基盤である「コモングラウンド」の設計を進めている建築家の豊田啓介氏をお迎えした.コモングラウンドを実現するためにはエージェントと環境の軸と,デジタルとフィジカルの軸からなる四象限それぞれに対応する記述の方式が必要だが,現状は人間の視点による記述方式しかなくいため,我々が受けられるサービスの質を上げるためには,人間以外のエージェントであるロボットやAIなどの他者達の視点からも動きやすい社会をデザインすべきだと説いている.大阪関西万博の誘致会場計画では,従来のような物理会場だけでなく,バーチャル会場,さらにはそれらを接続するコモングラウンド会場の三つを,明確に異なる会場として計画することの価値を前面に押し出したという.コモングラウンド会場はARアバター来場やロボットや建物に乗り移るアバター来場ができるように設計するようにすれば,万博のKPIはもはやゲートを通った物理的な身体の数でKPIが語られるものではなくなる.そこでは「物理周辺主義」とも呼べるような,新たな定型活動を作り出す新たな世界観を実感する契機となり得るだろうし,新型コロナウィルスの感染拡大によってZoomやTeamsを使い慣れてしまった人々にとっては,もはやノーマルな世界観と言えるかもしれない.

その後も,キノコは決断能力と記憶能力を備えているという研究成果を発表した東北大学の深澤遊氏とキノコの知性から考えるこれからの環境観や森との付き合い方などについて,芸術人類学と神話の研究をしている秋田公立美術大学の石倉敏明氏とアジアにおける都市と宗教と神話の関係や植物を中心に据えた世界観などについて,庭師であり美学者である京都教育大学の山内朋樹氏とは動いている庭と付き合う方法や失調している都市と自然に秩序をもたらそうとする人間の性などについて,多様な視座・視点・視野で議論を重ねている(中西2020).

Augmented Behavior Chance

スマートシティとキノコとブッダについての複数の座談会から浮かび上がりつつある共通した視点として,人間だけが思考するという世界観からの脱却,異なる特性やスケールを備えた知性との対話・応答,がある.これはいま現在の人間観やユーザ自身の視点からすれば,人間中心主義やユーザ中心主義を逸脱する可能性もあるが,1章で述べたように定型行動の変化を生み出すことは,現状からジャンプすることでもある.以下ではABCプロジェクトの研究内容を紹介し,「異なる知性との対話・応答」の方法を考えることが,新しいサービスをデザインする方法として捉えることができるかをみていきたい.

異なる知性としての専門家や他者からすれば非合理的な定型行動を取っている個人に対して,合理的な情報提供を行うだけでは,意思決定と行動変容には必ずしも繋がらない.それは限定合理性しか持ち得ない人間の意思決定や行動が,個人のパーソナリティやその場の状況,機嫌/感情/ムードといった内面の心的状態にも影響されてしまうためであるが,それを逆手に取れば,新たな行動を引き出す契機を作り出せるだろう.そこで中澤のチームでは,人の感情をリアルタイムにモバイル・ウェアラブル機器等のセンシング/機械学習で認識する技術や,スマートフォン依存や感情的摂食といった本人にとっては理由があっても他者からすれば非合理的な定型行動を検知して異なる定型行動へと誘導するための技術,気象予報などの不確実性を含んだ未来の情報提供と行動変容の関係性解明といった研究を行っている.個人にまつわる様々な情報(性格等の比較的静的な属性,動作や行動,周辺コンテキスト,感情やムードなどの動的状態)や物理環境としての都市空間にまつわる様々な情報を検知・認識・収集・流通させ,それらを組み合わせることで付加価値のついた情報として人にフィードバックすることで,行動変容を実現する手法等の研究を行っている.

物理環境において雨や風,日差しや気温などが人々の行動に影響を及ぼすように,インターネットを行き交うデータが人々を取り巻く大きな環境だと捉えれば,我々の行動はすでに,我々自身が作り出したアルゴリズムとデータからなる巨大で不可知な環境から影響を受けている.高度な解析手法で用いられるモデルは複雑化が急速に進んでおり,解析結果が生み出される過程を人間は理解することは不可能となっており,もはや異なる知性が世界中のサーバに棲んでいると考えることもできる.豊田チームにおいては,実世界における人や車の移動に関するデータ,実世界の事象に関わるソーシャルメディアデータなど,物理環境と情報環境の両方にまたがるビッグデータの収集・蓄積・解析・可視化に関する研究を行っている.人間には感覚,情報の把握能力,言語能力,社会的関係性により受容できる情報に偏りがある.そのため,データ解析結果の解釈を支援する情報可視化技術や,人の感覚や属性を考慮した自然言語処理による情報提示技術の研究開発を推進している.物理環境と情報環境から生み出されるビッグデータを休みなく食べ続ける,人間とは異なる知性との対話を少しでも可能とすることで,大規模データの解析結果をユーザが解釈し適切な行動を取れるようにすることを目的としている.

物理環境と情報環境から発生するビッグデータを分解し続ける新たな知性を菌類の菌糸のネットワークに見立てると,ネットワークに接続されたロボットや自動運転車はそれが物理的なサービスとしてオブジェクト化されたキノコとして捉えることもできる.新たな知性を纏い移動能力を備えた機械知能は,必ずしも人間の外見を真似る必要もないし動物のメタファーによって捉えられるとも限らない.中西チームでは,家具や遊具をベースにした非人間型ロボットをデザインすることによって動的な物理空間を構築しようとしている.物流と販売を統合するような店舗型の自動運転車が普及すれば,立地や曜日や時間帯などに応じて,異なるサービスを提供することが一般的になり,オープンな空間の使い方はより流動的になるだろう.この研究では,静的なモノとしての家具型/遊具型ロボットの配置を動的に変更できるようにすることで,複数の定型行動を無意識的に引き出せるような物理環境を作り出そうとしている.そのためにはモノとしての佇まいと移動ロボットとしての動きに加えて,人々の行動にどのように応答するかという振る舞いをデザインする必要がある.そこでは,家具ロボットがどのような感覚器と身体を備えた知性として人間と世界をどのように経験するのか,それと同時に人間が動的な環境とどのように応答するのかを現象学的にとらえるような,ユクスキュルの環世界的な設計アプローチがあり得ると考えている(ユクスキュル 2005, 三宅 2017).

おわりに

計算機はパーソナルコンピュータやスマートフォンとなり「道具」として人間を拡張し,またセンサネットワークや大規模データベースにもなって情報「環境」として人間を取り巻いている.漢字は読めるが書けなくなり,深く考える前にまずGoogle先生に聞き,行先の場所は良く知らずとも地図アプリに連れて行ってもらうようになった.“人工物の発明には不気味な鏡がついていて,人間は自身が作ったもののなかに,自身の可能性を見いだすことで人間になる.したがって,人間はただ道具を発明するわけではない.道具が人間を発明するのだ.…道具と人間は互いを生み出しあっている”(コロミーナ 2017).石器を始源とする人類が生み出すテクノロジーは,新たな定型行動を生み出し,かつての人間とは違った新しい人間を生成し続けている.そして,ロボットや自動運転車などの移動能力も備えた自律的な知性が「他者」として人間の周りに存在するようになりつつある.

計算機からなる道具・環境・他者達と,物理的な道具・環境・他者達が織りなす未来の総体をスマートシティと呼ぶのであれば,それは,いま現在の我々とは異なる新しい人間を生成するはずだ.本稿では,JST CREST「人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開」を実現すべく行なっている我々の研究活動であるABCプロジェクトを紹介し,人間だけが思考するという世界観からの脱却,異なる特性やスケールを備えた知性との対話・応答という視点から,そうしたスマートシティが生み出す知性の可能性について述べた.新しい道具と環境を作り出すことは新しい人間を作り出すことでもあるならば,未来の都市を構想することは,いま現在の人間の知覚世界・内的世界・作用世界から逸脱することでもあり,それをポスト人間中心主義と呼ぶこともできるだろう.その手がかりとして多様な非人間型の知性:ビッグデータを扱うAIやロボット,キノコやブッダを初めとする古今東西の多様な知性から見た環世界を行き来しながら,“What is Human?”という問いを立てそれに答え続けていきたいと考えている.

参考文献

Fukasawa, Y., Savoury, M. and Boddy, L. (2019). Ecological memory and relocation decisions in fungal mycelial networks: responses to quantity and location of new resources, The ISME journal, 14(2), 380-388.

JST CREST 人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開.
https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/research_area/ongoing/bunyah29-4.html(2021/01/31最終アクセス)

JST CREST ABCプロジェクト.
https://augmented-behavior-chance.com/
(2021/01/31最終アクセス)

Scientific American (2007). Strange but True: The Largest Organism on Earth Is a Fungus.
https://www.scientificamerican.com/article/strange-but-true-largest-organism-is-fungus/
(2021/01/31最終アクセス)

Winograd, T. (2013). Filling in The H in CHI. https://www.youtube.com/watch?v=VtsvUoSjwmE
(2021/01/31最終アクセス)

久保田晃弘 (2017). 遙かなる他者のためのデザイン ─久保田晃弘の思索と実装, BNN新社.

ヒュー・ケナー (2009). 機械という名の詩神―メカニック・ミューズ, 上智大学出版.

ビアトリス・コロミーナ, マーク・ウィグリー (2017). 我々は人間なのか? - デザインと人間をめぐる考古学的覚書き, BNN新社.

ハーバート・サイモン (1999). システムの科学, パーソナルメディア.

塩沢由典 (1998). 市場の秩序学, ちくま学芸文庫.

三宅陽一郎 (2017). 生物が観る世界,自動車が見る世界.  https://jidounten.jp/archives/949
(2021/01/31最終アクセス)

中西泰人, 本江正茂, 石川初 (2020). スマートシティとキノコとブッダ. https://note.com/cityfungibuddha (2021/01/31最終アクセス)

ヤーコプ・フォン・ユクスキュル, ゲオルク・クリサート (2005). 生物から見た世界, 岩波文庫.

著者紹介

中西 泰人
慶應義塾大学環境情報学部教授.1998年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.博士(工学).

本江 正茂
東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻准教授、宮城大学事業構想学群教授(クロスアポイントメント).博士(環境学).

石川 初
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授.1987年東京農業大学農学部造園学科卒業、鹿島建設などを経て現職.博士(学術).

豊田 正史
東京大学生産技術研究所教授.1999年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士課程修了.博士(理学).

大越 匡
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授.2015年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了.博士(政策・メディア).

中澤 仁
慶應義塾大学環境情報学部教授.2003年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程終了.博士(政策・メディア)

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