[ブラジリア 8日 ロイター] - ブラジル連邦最高裁判所は8日、ルラ元大統領(75)に対して下級審が下した収賄罪の有罪判決を無効にする判断を下した。これを受け、ルラ氏が来年の大統領選に出馬できる可能性が出てきた。

最高裁の判決を受け、左派のルラ氏と極右のボルソナロ大統領との間で有権者が二極化するとの見方から、金融市場には混乱が広がった。

判事は、南部クリチバの裁判所がルラ氏の公判を審理する権限を欠いていたとし、首都ブラジリアの裁判所での再審が必要と指摘した。

アーマー・キャピタルのマネジングパートナー、アルフレド・メネゼス氏は「ルラ氏が出馬できる見通しとなったことで、現政権がポピュリズム(大衆迎合主義)に向かう可能性がさらに高まった」と語った。

2003─11年まで大統領を務めたルラ氏は、寛大な社会福祉制度を通じて多くの貧困層を救い、今でも労働者階級に強い支持層を持つ。