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金利上昇に伴う設備投資マインドの悪化もさることながら、景気回復の展望がまだ描けない現段階で相場に強い下落圧力がかかることを、ECBとしては警戒せざるを得ません。
他方で実弾を放つ局面とまでも言えず、口先介入が展開されています。とはいえ、米国発の金利上昇ゆえに、米国が具体的な手立てを打たない限り、金利は高水準横ばいから上昇トレンドかな、と考えられます。
金利が上がるとどうしても意識されるのがイタリアの存在です。銀行の国債保有度が他のユーロ圏主要国に比べ高いため、金融不安に転じがちです。このところ月次の購入額を控えめにしていたPEPPのペースが上がる可能性は高いと考えます(枠はまだ据え置きでしょうが)。ecbはPEPP残枠残しているので「次の一手」は新しいカードではなく既存購入ペースのアクセルを踏むが優先になります。先日、ビルロワドガロー仏中銀総裁もそう示唆しています。
新型コロナウイルスの感染者数は、今年に入ってのち、ドイツは明らかに減少傾向なのに、フランス、イタリアはやや増加傾向にあるように感じます。特にイタリアは増加傾向が明らかです。
ドイツ
https://www.who.int/countries/deu/
フランス
https://www.who.int/countries/fra/
イタリア
https://www.who.int/countries/ita/
今年1月28日公表のIMFの纏めによると、新型コロナ対策の財政支出の対GDPはドイツが11%に上るのに対し、フランスは7.7%、イタリアは6.8%に止まります。平時に健全財政を守るドイツの新型コロナウイルス禍前の政府債務の対GDPは59.5%、普段から財政規律が緩めのフランスは98.1%、イタリアは134.8%でしたから、ドイツがこれだけ思い切った支出をしても、ドイツの財政が圧倒的に健全な状態は変わりません。変異種の影響もあるのでしょうが、感染動向にしても経済対策にしても、ドイツとフランス、特にドイツとイタリアは対照的。危機のさなかの昨年、メルケル独首相が調整に乗り出して財政健全派の北部欧州と南部欧州が7500憶ユーロの欧州復興基金を編み出したけれど、なにかと気質の異なる国々を纏めて進むECBの運営は大変そう。(・・