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論文は下記で読むことができます。

Unlocking history through automated virtual unfolding of sealed documents imaged by X-ray microtomography
https://www.nature.com/articles/s41467-021-21326-w

コードも下記で公開されています。

UnlockingHistory/virtual-unfolding
https://github.com/UnlockingHistory/virtual-unfolding
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X線マイクロCTは、現在、歯科分野などで盛んに活用されていて、ミクロンオーダーの解像度で立体視できるものもあるので、このような紙の表裏まで含めて分析すること自体は、技術的には十分に可能な範囲です。

論文を読んでみて面白かったのは、そもそもこのレターロッキングという書類の折り方。論文内にも図示されていますが、第三者が途中で開いたり改ざんできないように、ワックス・接着剤で固めつつ、複雑に折り込んで行く方法で、開封方法を知らない人が開けたらビリビリになるような代物のようです。ただでさえ厄介なその"折り紙"が劣化しているとなると、破れないようにそーっと開くなんてことが困難ということのようで。

Unlocking history through automated virtual unfolding of sealed documents imaged by X-ray microtomography
https://www.nature.com/articles/s41467-021-21326-w

また、X線は透過力が強いので、レントゲンのように骨/肉くらい組成の違うものならともかく、紙(有機物)の上に載っているインク(有機物)は、組成が似ていてコントラストがつきません。どうしてるのかなと思ったら、そこはX線位相コントラストイメージングの技術も使ったとのこと。下記の論文が引用されていました。
端的に言えば、波長を揃えたX線が有機物を通り抜ける時、微妙な組成の違いで通り抜けてきたX線の位相が変化するので、それを増幅して可視化するというものです。電子顕微鏡でも類似の技術がありますが、比較的成分の近いものを見分けられる有用な技術です。
Revealing letters in rolled Herculaneum papyri by X-ray phase-contrast imaging
https://www.nature.com/articles/ncomms6895

このテーマ、対象物の形状が複雑で情報量が膨大なので、得られたデータから完全に復元するまでの工程がとにかく長いのが大変そう。しかし読み出せたらさぞかし嬉しいに違いない。
ちょっと恥ずかしいラブレターなどが出てくることもあるかもしれませんね。
見つけたらそっとしておいてあげてください。