[4日 ロイター] - 米政府による中国半導体大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)の事実上の禁輸リスト指定を受け、半導体製造装置メーカーのラム・リサーチやアプライド・マテリアルズなど米企業が政府に申請したSMICへの輸出許可の承認手続きが滞っていることが明らかになった。

複数の業界筋によると、米メーカー側は推定計50億ドル相当の半導体関連装置および材料の輸出を申請しているが、多くはまだ承認されていない。世界的な半導体不足の影響が広がりつつあるにもかかわらずだ。

SMICは昨年12月に当時のトランプ政権により安全保障上の懸念がある企業を並べた「エンティティー・リスト」に追加され、多くの米企業はその直後にSMICへの輸出許可を申請した。ただ、最近になって少数の高額機器の販売が認められるなど、承認されたものもいくつかあるという。

SMICはクアルコムを含む米企業の委託を受けて半導体を生産している。1月のバイデン政権発足後に米政府の政策は転換しており、政府機関はまだSMICへの販売を認めるべき製品について方針が完全に定まっていない。

SMICへの禁輸措置は、大半の製品については個別に許可を申請すれば輸出できるが、最先端の10ナノメートル以下の半導体の生産のみに使われる製造装置は許可が原則出ないことになっているという点で異例だ。

米政府は輸出許可申請を受けてから1カ月以内に判断を下すことになっているが、企業側への追加質問が承認手続きを停滞させているという。

ラム・リサーチの広報担当者は3日、「今なお申請手続き中で、回答はまだ受けていない」と述べた。

アプライド・マテリアルズの最高財務責任者(CFO)は2月18日の決算発表後の電話会見で、業績予想について、SMICへの輸出許可が下りるという前提は置いていないと述べた。

SMICはコメントの要請に応じていない。同社はこれまで、米政府が禁輸措置の根拠としている中国軍とのつながりを否定してきた。

関係筋によると、米当局者らが企業側に追加質問をしている理由の1つは、申請対象の部品や材料が10ナノメートル以下の半導体生産に転用可能かを見極めようとしているからだ。

米商務省の当局者は文書で、SMICへの禁輸措置が半導体不足を助長する可能性を否定。不足は従来型技術に関係しており、SMICへの制限は最先端技術に関するものだと説明した。従来型技術の輸出承認の遅れによる影響については言及がなかった。

新型コロナウイルス対策の世界各地のロックダウン(都市封鎖)がノート型パソコンや携帯電話など電子機器の需要を押し上げる中、世界の半導体サプライチェーン全体が逼迫している。SMICは同サプライチェーンで重要な位置を占めている。

SMICに製品を供給している米企業は他に、エンテグリス、KLA、アクセリス・テクノロジーズなど。