[メキシコ市 3日 ロイター] - メキシコ中央銀行は3日に公表した四半期報告書で、2021年と22年の経済成長率と雇用の伸び予想を上方修正した。ただ、新型コロナウイルスの感染状況が景気の下振れリスクだと指摘した。

中心的なシナリオで国内総生産(GDP)伸び率は21年が4.8%、22年が3.3%と予想。従来予想は21年が3.3%、22年が2.6%だった。

21年の雇用の伸びは25万─57万を見込む。従来の15万─50万から引き上げた。

メキシコ経済は20年、新型コロナの影響で約90年ぶりとなる深刻な景気後退(リセッション)に陥った。ただ、中銀は20年第4・四半期の経済は予想以上に回復したと指摘している。

中銀は見通しの引き上げについて、20年末に景気回復が進んだことや、米鉱工業生産が底堅く伸びるとの想定に基づいていると説明した。

ディアスデレオン総裁は、景気回復ペースは国ごとに異なり、新型コロナのワクチン接種状況や景気刺激策の規模に大きく左右されると指摘した。

メキシコは景気刺激策をさほど講じておらず、製薬会社からのコロナワクチンの調達も難航している。

総裁は、米国の景気回復などの国外要因を注視し、今後の政策を検討すると説明。その上で、新型コロナの感染状況が深刻なリスク要因だと指摘した。