[ワシントン 2日 ロイター] - 石油業界最大のロビー団体である米石油協会(API)は、温暖化ガスに価格を付ける「カーボンプライシング」制度を支持すべきかどうかを検討している。事情に詳しい関係筋が明らかにした。

関係筋は、APIが「温暖化ガスの排出を削減してパリ協定の目標を達成に向けた解決策のひとつとして」、カーボンプライシング導入を検討していると指摘し、APIの政策転換についてのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の報道内容を確認した。

APIには、大手石油会社の大半が加盟しているが、仏トタルは、APIの気候変動政策や掘削規制緩和を支持する姿勢に反対し、脱退している。

WSJが確認したAPIの政策転換の声明草案によると、APIは、炭素税や二酸化炭素(CO2)排出権取引といった特定のカーボンプライシングツールは支持していない。ただ、関係筋によると、1月に公表された報告書「State of American Energy」でAPIは、市場ベースのカーボンプライシング政策への支持を表明している。

APIは、カーボンプライシング制度を正式に支持するかどうかについてはコメントに応じておらず、気候変動に対する業界全体の対応について約1年前から取り組んでいると説明した。

APIの広報担当者は「われわれの取り組みは、米国の新政権のパリ協定への貢献を支えることに焦点を当てている」と語った。

バイデン政権は気候変動対策として、50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指している。