2021/3/4

【真相】日本は、次の「ヒットの法則」をわかっていない

フリーランス ジャーナリスト

政府・企業主導ではムリ

ショート動画アプリの「TikTok」は、文字通り世界のポップカルチャーにとって最も重要なプラットフォームとなった。
2016年に中国のByteDanceが立ち上げたこのサービスは、知っての通り、10秒から1分程度の長さの動画を投稿できるのが特徴だが、今や世界の「Z世代」のトレンドや嗜好を理解するための「入り口」といって過言ではない。
もちろん、この現象は日本でも起きており、TikTokは(MixChannelなど国内サービスと並んで)ポップカルチャーを大きく変え始めた。
特に、2020年は目覚ましく、YOASOBIの『夜に駆ける』、瑛人の『香水』、NiziUの『Make you happy』など、TikTok上で人気を集めた楽曲が、この年の大ヒット曲へと躍り出た。
日本の音楽業界は、CDやYouTubeの短尺バージョンなど古臭い手法にこだわっていたが、ここにきて新たなヒットの道筋が登場したともいえるだろう。
とはいえ、ここまでであれば、誰もが多かれ少なかれ知っていることだ。しかし、実は、TikTokの本当の威力はこれにはとどまらない
というのも、TikTokは、国内のヒットを創出するだけでなく、海外における日本のポップカルチャーの形、さらには日本全体のイメージを劇的に変えつつあるのだ。