[フランクフルト 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事は2日、債券利回りの上昇を抑えるため、ECBは買い取り額の増額や買い取りプログラムの拡大を躊躇(ちゅうちょ)すべきでないという考えを示した。

講演で「国内総生産(GDP)加重の名目利回り曲線がスティープ化しているが、これは歓迎せざるもので、対抗しなくてはならない」とし、「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ枠全て、もしくは必要ならそれ以上の買い入れを行うことを躊躇するべきではない」と語った。

その上で「名目利回りを長期間低く抑えることで、緩和的な資金調達環境をしっかりと固定できる」と指摘。また、政策対応を過度に制限した場合のリスクは過度に膨らませた場合と比較してかなり大きいとし、「最終的にユーロ圏の利回り曲線の舵取りに堅くコミットすることで、買い取りのペースを緩めることが可能になるかもしれない」と述べた。

最近の物価上昇はおおむね一時的なものであり、新型コロナウイルスワクチン接種の遅れや都市封鎖(ロックダウン)の延長を考慮すれば、短期的な成長リスクは増大しているとした。

ピクテ・ウェルス・マネジメントのフレデリック・デュクロゼ氏は「ECBは来週から毎週のPEPP買い入れで確約を果たすと予想される」とし、「ECBが確約の信頼性を示すために、毎週の買い入れを200億ユーロを超える水準に一時的に引き上げることを阻むものは何もない」と話した。

*内容を追加します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)