日本で蔓延る「孤独=悪」の風潮に問いたい問題
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「孤独を悪」にして対策を講じようとするのはむしろ逆効果で、それはかえって「苦しむ人を増やす」だけだと僕は思っています。向き合うべきは、孤独に苦しむ本質の部分はどこか?という点。
孤独は排除すべき悪ではないし、駆逐すべき敵でもありません。そもそも人と人との間には必ず孤独が生まれます。なぜ生まれるのか?ということに思いを巡らせれば、孤独との付き合い方が大きく変わるでしょう。美術家の篠田桃紅さん(107歳)が102歳の時のインタビューの中で言われた「孤独」に関する感性が秀逸です。
「孤独は、辛いとか耐えるとかいう次元のものではなく、生き物の当然のカタチ。孤独という言葉で特別に言うから、孤独が特別の様に思うが、孤独は初めから決まりきったこと。一人で生まれて、一人で死ぬのは、分かりきったこと。“私は孤独で寂しい”なんて言うのはおかしい。まるっきり、当然過ぎるくらい当然のこと。この歳になって分かるのは、人間って、こんな、まるっきり無駄なことばかりやってる。真理というものに、みんな、一度も本気で向き合っていない。人は本当に真理に向き合えない。怖くて。」
この番組は、YouTube(58分)で観ることができます。
https://youtu.be/yq8tIHOm0SQ
孤独に関するコメントは、48分辺りです。孤独は、Loneliness(自分が思い描く理想的な人付き合いとの落差に感じる孤独), Solitude(自ら望んで迎え入れる孤独), Isolation(物理的な孤独≒孤立)と分けて考えるべきです。英国で問題視されている孤独はLonelinessと定義されており、それによって高まる死亡リスクや認知症の進行などが研究結果として明らかになっています。他方Isolationによって発生する孤独死は、物件や地域コミュニティの非活性化を進行させる要素も持ち合わせており、対策が必要です。主観的な物差しに基づくLonelinessと物理的状況であるIsolationをおしなべて孤独とするのではなく、それぞれへのアプローチを検討することが必要だと思います。