[1日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカが昨年、保有していた米バイオ製薬モデルナ株を約10億ドルで売却したことが明らかになった。モデルナ株の急上昇から利益を上げたとみられる。

アストラゼネカの最新の年次報告書によると、同社は昨年、保有株の売却益が13億8000万ドルに上り、その「大部分」がモデルナ株の売却によって生じた。

モデルナは昨年、新型コロナウイルスワクチン開発に着手し、12月に米当局の緊急使用許可を取得。株価は1年間で5倍以上に達した。アストラゼネカは英オックスフォード大学とコロナワクチンを開発しているが、米国ではまだ承認を得ていない。

アストラゼネカが最初にモデルナに出資したのは2013年で、19年末までに保有率を7.65%に引き上げた。

ロイターの算出によると、モデルナの2020年終値(104.47ドル)に基づく保有株の価値は約32億ドルに上った。

米製薬大手メルクも昨年12月に保有していたモデルナ株を売却したと明らかにしたが売却益などの詳細は開示していない。