[1日 ロイター] - ソフトバンクグループが出資する韓国のネット通販大手クーパンは1日、ニューヨーク証券取引所に申請している新規株式公開(IPO)の仮条件レンジを1株27-30ドルに設定する方針を、届出書類で明らかにした。これに基づく評価額は460億-510億ドルとなり、公開価格が上限に決まれば調達額は36億ドルに上る見込みだ。

新型コロナウイルスのパンデミック期間を通じて売上高を伸ばしたハイテク企業への投資需要はなお衰えておらず、米株式市場がこうした大規模なIPOを受け入れやすい環境は続いている。

ソフトバンク傘下のビジョン・ファンドにとっても、このIPOが実現すれば大きな投資成果が得られる。一時巨額の損失を抱えていたビジョン・ファンドは急速に運用成績が改善し、記録的な利益を確保できるとみられている。

クーパンは2010年創業。商品を注文してから24時間以内に届ける「ロケット配送」が人気を博し、事業を拡大してきた。ピッチブックのデータによると、2018年に行った直近の資金調達時の評価額は約90億ドルだったことからも、その急成長ぶりがうかがえる。