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ところが、シリコンバレーは2000年代に、このマネーの虎的な「カネをもっている出資者が偉い。パトロンが偉い」という力関係が、劇的にひっくり返ってしまった。お金がどんどん流れ込むのに、有望な起業家は一握りで、もはや投資家やVCはでかい面ができなくなった。
その流れを決定的にしたのが、2009年に登場した「a16z」です。
起業家をヒーローとして扱い、まるで俳優やタレントのように、巨大な組織でバックアップして、デビューさせてゆく。また彼らは独自のメディア運営に強烈に投資をしており、有名エディターを雇っては、ポッドキャストやブログで「最新トレンド」を自分で発信しています。まさにスタートアップの「大手芸能事務所」と言えるかも知れません。
リアルで起きている「マネーの虎」は、選ぶのがスタートアップの起業家で、選ばれるのがVCたちなのかもしれません。ぜひ、見てみたい(実現しないでしょうが笑)。
ちなみに当社の投資先でa16zがリード投資している投資先からは記事にあるような支援は聞こえてこないので、投資先の中でも支援の濃淡はありそう
a16zはこの流れを体現するファームの一つです。私も投資先のDrishti社でa16zのパートナーとやり取りがありますが、ネットスケープのセールスチームだったベテランメンバーの採用を支援したりと、スタートアップにとって重要な価値貢献を目にしてきました。
一方でファンドサイズが大きくなるに連れ、パフォーマンスが落ちているのではないか(https://news.crunchbase.com/news/inside-the-ups-and-downs-of-the-vc-j-curve/)とか、不況期をあまり経験していないファームなので、ターナラウンド的な支援がどこまでできるのかといった声もあります。また記事で触れられているRIAも、監査コストがかなり増加するというネガティブな点もあります。まだ明確な評価を下すことは難しいですが、シリコンバレーの一つの流れとしては非常に面白いファームの一つだと思います。
そのアンドリーセンがVCはじめるのか、という感じでネスケの彼の印象のほうが遥かに大きい。がそこは無論天才ゆえあっという間にサンドヒルロードの老舗を押し退け頂点に登った。そこからのまとめが本稿。
ただしそれすら押し退けたのがSVF、恐るべし孫さん。
起業家ファーストのカルチャーを持ち、「おもてなし」する組織づくりを、180人を超える規模でやっているのはa16z以外にはいません。
個人的には、良いディールを取るのは、個よりも「チーム力」としているところは、個人間の競争が激しいシリコンバレーにおいて、非常に面白いなと思いました。
ベンホロウィッツ(2018年のa16zブログより):
「ファームは個別のネットワークを持つ個人の集まりであってはいけない。ネットワークは組織、全体で共有され、育むものだ」
「私たちのネットワークはシステマティックなネットワークであり、そのプラットフォームは誰もが使えるものだ」
例えば、投資会社のためにA社のBさんと関係を作りたい、と思えば、a16zの組織内で、誰がBさんを知っているのか、また誰が最後にBさんとコンタクトを取ってどんな会話をしていたのか。Eメールでのやり取りまで情報を辿ることができ、共有されるといいます。185人分の「ネットワーク」を皆が同じレベルで共有するとすれば情報量は膨大です。
そして、いろいろな意味で、一挙手一投足に注目が集まるa16zの理由を知れば、シリコンバレーのVC業界の歴史も見えてきます。
米国は日本よりVC同士の競争が激しいのが現実です。
a16zのエージェント軍団は有名で、例えば投資先がロビー活動のための政府系パイプを探してる時はこのパートナー、製造業に詳しくコネを持つパートナー、と分野事業別で広いネットワークと強い実行力を持っています。
ソフトウェアで管理され、起業家にも負担なくアクセスできます。(この背景があるので米国ではVC向けソフトウェアも盛ん)
起業家への厚い信頼を胸に情熱と効率を兼ね備えた彼らは、起業家の注目と尊敬を浴び続けているからこそ、激戦な米国で選択肢の多い優良スタートアップに、常にテーブルに入れてもらえるのでしょう。
「長期的に見ると起業家CEOは、プロのCEOより良い業績を残す。起業家CEOを成功に導けるVCこそが、最高の金銭リターンを得ることができる」
「有名なVCからは、いつも見下されていると感じることもあります。a16zは違う。ミーティングには遅れない。レスは超早い。起業家への尊重を感じます」
https://newspicks.com/news/5611756