[1日 ロイター] - 米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のゴースキー最高​経営責任者(CEO)は1日、J&J製の新型コロナウイルスワクチンの国内での接種が向こう24─48時間以内に開始されると述べた。

同社のワクチンは1回接種タイプで、週内に約400万回分の出荷を予定。ただ、最高科学責任者(CSO)のポール・ストフェルズ博士はインタビューで、3月末までに追加で出荷予定の1600万回分は、新たな製造施設に関する規制当局の認可に出荷時期が左右されると明らかにした。

米疾病対策センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)は2月28日、J&Jのワクチンの18歳以上への一般的使用勧告を全会一致で承認。米食品医薬品局(FDA)は前日に同ワクチンの緊急使用を許可しており、これで接種開始に向けた規制上の手続きが完了した。

ゴースキー氏はNBCニュースに対し「向こう24─48時間以内に接種が開始できる」とし、「速く接種を進めれば進めるほど、変異株の出現を抑えられる」と述べた。

その上で、南アフリカやブラジルなどで実施した臨床試験(治験)の結果に基づくと、J&Jのワクチンは新たに出現しつつある変異株にも有効であると確信しているが、南アの変異株に標的を絞ったワクチンの開発も進めており、夏までに後期治験を開始すると明らかにした。

ストフェルズCSOはインタビューで「400万回分は既にトラックで米国の各地に向けて輸送されている」と述べ、稼働済みの小規模な製造施設で生産されたものだと説明。

一方、J&Jは医薬品受託製造の米キャタレントが運営する大規模な製造施設からワクチンを出荷するためにFDAの許可を待っている。FDAが品質データを検証しており、向こう数日で承認が得られるとの見方を示した。これによりJ&Jは確約通りに3月末までに国内で合計2000万回分を供給できるという。

ただ、キャタレントの北米部門プレジデント、マイク・ライリー氏は文書で、FDAの許可取得はこれより長い「数週間内」になるとの見通しを示した。

ストフェルズ氏はまた、世界的な製造能力拡大に向け、国外でも提携協議を進めていると明らかにした。

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