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誰もが認める名建築。こういった建築の傑作は建築家のデザイン力だけでなく構造家、施工、デベロッパー、行政、予算、材料調達、時代のタイミングなど、全てのピースが揃った時だけに起きる、正に「奇跡」です。そう思って改めて見るとその賛美の気持ちがより一層深まると思います。

これらの曲線美を3Dソフトもない時代に、あそこまでの精度で創り上げるのは並大抵のことではありません。

また、今回のリノベーションにおいても、不動産ビジネスにおける「床の呪縛」から逃れて付加価値で勝負するやり方は未来の可能性も示していると思います。耐震など様々な理由はあったかと思いますが、日本の帝国ホテルはもったいなかったですが、床の量よりも環境の質で選ばれる時代になる今、今後が楽しみです。
ニューヨークJFKのターミナル(建設当時はJFKでなくアイドルワイルド空港という名でしたが)は1950年代にターミナルの容量が逼迫したことから1960年代に大手航空会社がこぞってブランドイメージを全面に押し出したターミナルを完成させており、パンナムのフライングソーサー(第3ターミナル)やTWAのTWAフライトセンター(第5ターミナル)はとても意匠的でありファンも多いです。米国では鉄道のように航空でも航空会社がターミナルを設計・建設・保有するというのが基本的な考え方となっていますので、航空会社により発想が自由に展開されている点が興味深いところではないでしょうか。
現在は必要とされるセキュリティを維持するために到着と出発の動線を完全に分離していたり、ターミナルもできる限り直接つけられる駐機場の数を増やそうとして設計されるため、どの空港でも似たような雰囲気になってしまっているような部分も出ています。特に日本では航空会社間であまり差をつけないことが重視され、国や港湾当局が用意したターミナルに入居するという流れとなっていましたので、このような面白い発想のターミナルとはなっていなかったことは残念です(せいぜいお得意さん向けのラウンジのサービスで差をつける程度です)。
特にパンナムやTWAは飛行機での旅行が一部のエグゼクティブに限られていた時代、飛行機というのが非日常そのものであった時代に輝き、その発想を余すことなく注ぎ込んで完成したのがこのようなターミナルでした。今の空港で現役のターミナルは日本で言うところの鉄道のターミナル駅のような扱いですので、こうした余裕のある設計とはなっていません。古き良きノスタルジーと、モダニズムが未だにもつ近未来感の融合を楽しむ場所として、今後も長く残ることを期待します。
元のデザインはフィンランドの巨匠、エーロ・サーリネン です。同じくフィンランドの巨匠、エリエル・サーリネン (ヘルシンキ中央駅を設計)のご子息です。

さて、こちらの空港、度重なる解体の危機を保存活動により乗り越え、その後も再生のためのプロポーザルの度に不調となっていました。最終的に事業者となったのはアメリカの大手ホテルオペレーターのMCR。事業の詳細は調べられていませんが、保存だけでコストがかかり、立地も不利ですので、相当難易度の高い事業であったと予想します。

(個人的には、大手だからこそ採算をやや度外視した企業ブランディング的な位置付けなのか、保存のため公共からの補助があったのでは?と予想してます。)

実現された方々の成果、是非とも堪能してみたいです。

参考:
https://www.reit.com/news/reit-magazine/march-april-2020/mcr-unveils-new-twa-hotel-jfk-airport
なぜいま?と思いましたが、本当にワクワクする楽しいホテルです。オープンの翌月に泊まる機会に恵まれましたが、エレベーターホールや通路、客室の細部に至るまで統一した世界観で驚きました。ラゲッジタグも当時のものを模した「TWA/JFK」がつけられていました。実はジムがすごくて、広大なスペースの中にゴールドジムばりの設備が整っており、筋トレだけしにきている人がちらほら(ジム会員がある?)。コロナ明けに再訪したいホテルのひとつ。
ミッドセンチュリー、アール・デコ、グレートギャツビー、フラッパー。連想が連想を重ね、映像と音楽が甦りました。北欧にもミッドセンチュリーを彷彿とさせるデザインがありますが、オンデマンドで海外ドラマ観ていた時、意外にマイアミもミッドセンチュリーというかアール・デコ建築が保存されているイメージがあります。NYには行ったことがないので旅の計画のうちの1日をここで過ごしてみたいです。感性を豊かにしていただきありがとうございます。
とっても素敵ですね。トランス・ワールド航空を知っている人にとってはとても懐かしいでしょうし、知らない人にとってはとてもおしゃれな空間として楽しめそうです。
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