2021/2/27

【高岡浩三】溝口さんは、根本が分かってない

「今回の騒動は、子どものけんかのようなものです」
NewsPicksのインタビューの冒頭、元ネスレ日本社長の高岡浩三氏は「WEIN騒動」をこう表現した。
フィンクテクノロジー創業者の溝口勇児氏、プロサッカー選手の本田圭佑氏、高岡氏が集った“セレブファンド”は、設立発表からたった9カ月で内部崩壊。
8.7億円が集まったWEIN挑戦者FUNDは解散予定で、スタートアップ界の大騒動に発展している。
緊急連載「セレブファンド・スキャンダル」。
本日は、溝口氏に懇願されてファンドに参画した高岡氏が登場する。
7年以上前から付き合いのある溝口氏に、なぜ退任を迫ったのか。騒動の本質は、どこにあるのか。
INDEX
  • 実態は、子どものけんか
  • WEIN参画の経緯
  • こうして信頼は失われた
  • 本質はガバナンス問題
  • 騙されては、いない

実態は、子どものけんか

──WEINの崩壊について、率直にどう感じていますか。
高岡 お騒がせしてしまい、格好悪い話なんですけども、正直、実際は「子供のけんか」のようなもの。溝口さんと僕らの意見の食い違いはあるけど、本質はガバナンスです。
NewsPicksでもスタートアップのガバナンスに関する記事が出ていて、「やっと議論されるようになったな」と思っていたら、自分のところで起きた。
日本経済が停滞する中で、スタートアップに型破りな発想があるのはいい。プライベートジェットに乗ったり、豪遊したりすることが悪いわけではありません。
だけど、あくまで実績あってのもの。投資家から預かったお金を、増やすどころか減らしてる段階で、そんな振る舞いがあってはいけない。
──しかしWEIN挑戦者ファンドは解散する予定でリターンを生めず、それが起こってしまいました。
今回のケースで僕は、一生懸命やっている起業家たちに影響が及ぶことだけは避けたい。そういう人は心から応援したいし、VCや大企業もちゃんと投資をしてほしい。
だから、WEINについては当事者の一人として、おおごとになったとしてもちゃんと取材を受ける責任があるな、と。