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「中小企業」の恩恵、例えば税制優遇、公募に対する特例扱い、各種経営監査の省略等々、相当な範囲に及びます。これを利用することで、経営効率が向上します。今回、「こっそり」やろうとしていたところ、バレてしまいました。実際にすることは、「純資産内での科目振替」という帳簿上の処理だけでしょう。
税法に基づき節税スキームを実行することは正当な行為です。しかし、企業の社会的責任(CSR)の視点では望ましくありません。CSRは、企業が自社の利益のみを追求するだけではなく、「すべての利害関係者に対して責任をもち、経済全体の持続的発展や活性化やより良い社会づくりを目指す自発的な取り組み」と知られています。
CSRの階層に関する学説では、低次責任(基本的な責任)から順に、(1)法的責任 (2)経済的責任 (3)倫理的責任と並びます。CSRよりもさらに高次の責任に (4)社会貢献(慈善活動)が位置します。「番号が若いほど必須」の責任です。
(2)には「従業員やその家族に経済的な報いを与えての社会の経済活性化」や「納税での貢献」、雇用責任(雇用に対するポリシー)があたります。社会の富を集めている企業の「中小企業化」は、(3)の倫理的視点からも疑問です。
一方で同じ企業が、CSRへの取り組みを大々的に「社会的な課題を解決していくことが私たちのCSR活動」と熱心に広報することとのバランスに違和感があります。https://linecorp.com/ja/csr/
経済貢献(大規模雇用・納税)をする企業に対して、もっと賞賛が必要だとも思います。一方、法人税制の抜本的な見直しや、私企業の行為ではありますが、資本金の額による証券取引所への上場除外条件の設置など、政策面でのルールで縛らないと「中小企業化」がCSRに反する行為だと思っていない企業は、これからもこっそりと「中小企業化」していくでしょう。ある程度「大企業が損をする構造の見直し」も必要です。
資本金が1円でも強者は強者。
税金にいいも悪いもありません。
徴税に合理性を求めても空虚です。取れるところから取る。これが古今東西の真実。一貫性もなければ、プリンシプルもありません。
そこにルールがあるだけ。
企業も社会の一員である以上、払うべきものは払う。
社会貢献はまったく別の文脈です。
利益を継続的にきちんと残る、価値のあるビジネスを展開し、社会貢献する。
税金はコストの一つでしかありません。
コスト圧縮するのは、企業、ましてや上場企業グループの至極当たり前の責務だと考えます。
内容はJTBと全く同じなのでコメントを転載します。
(転載)
中小企業の定義は法律によって異なります。ここで言う税制優遇を受けるための中小企業は税法上の中小法人のことで、かつこれも税法でも複数の考え方がありますが、資本金が1億円以下であることが税法上の共通の要件です。
中小法人には様々な優遇制度がありますが、特に大きいのが欠損金の繰越控除制度です。過去に発生した欠損金(赤字)がある場合に、中小法人は発生した所得(黒字)の全額を充当できるのに対して、大法人は所得の50%しか充当できませんので、残りの50%には必ず法人税が課税されます。
続いて影響が大きいのが外形標準課税制度。こちらは所得が発生していなくても、単年度の所得に支払った人件費、地代家賃、利息、を加算して計算する付加価値割、資本金等に対して課税がされる資本割が課税される制度です。逆に所得に対して課税される所得割は税率が低くなりますので外形標準課税で必ずしも税負担が大きくなるとは限りませんが、赤字会社は外形標準課税が適用されると税負担が大きくなります。
また、資本金の金額というものは実態としてほぼ意味がないです。資本金が大きいから安定しているなんてことはほぼありません。減資と言うとキャッシュアウトが伴う印象をもつ方もいますがそれは有償減資であって、いわゆる減資自体は無償で出来ます。単純に決算書の純資産の部の中での区分が変わるだけです。強いて違いを言えば資本金からは配当ができないですが、減資後の剰余金からは配当が出来るくらいでしょうか。
税金の負担を減らすことが出来て、配当に回すことが出来ると考えれば投資家としてはメリットしかないと思います。
更に中小企業基本法の中小企業(税法の中小法人とは全く定義が異なります)に該当する場合には、中小企業のための補助金制度も使うことが出来るようになったりとこれもメリットしかないです。
相撲もそうなんですが、ルールに定められていない「振る舞い」を要求する不文律が多すぎる気がします。
この経済競争において、そんなもん知るか、です。
ルールで決まってないならやる必要はなし。困るならルールを変えよ、です。
和製巨大IT企業、応援しています!