[25日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのマスク最高経営責任者(CEO)は25日、ツイッターへの投稿で、カリフォルニア州フリーモント工場が「部品不足」のため、今週2日間生産を停止し、24日に再開したと明らかにした。

同社株は25日、ブルームバーグが「モデル3」セダンの生産が一時的に停止されたと報じたことを受けて8%下落した。生産ライン稼働維持に十分な部品の確保を巡る懸念が浮上した。

半導体不足を巡っては、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォルクスワーゲン(VW)、フォード・モーターなど複数の自動車メーカーが生産調整を余儀なくされる事態となっている。

状況に詳しいある関係者はロイターに、少なくとも一部の従業員が24日と25日に休みが取れると言われたと述べた。25日は従業員用駐車場の車がいつもより少なかったとの指摘もある。

電気自動車関連ニュースサイトのエレクトレックによると、マスク氏は従業員向けのメールで、モデル3とモデルYの生産を今後数日フル稼働へ加速させる考えを伝えた。

「部品供給に問題があり、これを機にフリーモント工場を数日停止し設備の点検などを行った」と説明。ハイグレードのモデルSとモデルXの生産ラインを拡充し、まもなく2シフト制に戻す見通しも示した。

テスラのコメントは得られていない。

テスラは1月、世界的な半導体不足や港湾施設での物流の混乱によって一時的に影響を受ける可能性があるとの見方を示していた。

レイモンド・ジェームズのアナリスト、パベル・モルチャノフ氏はメールで「これはテスラだけでなく業界全体の問題だ。ただ、今回の件で、電気自動車の生産は、半導体やバッテリー、その他の部品に関して断続的なサプライチェーン障害にさらされるという状況が浮き彫りになった」と指摘した。

韓国のサムスン電子は先週、寒波による停電でテキサス州の工場の操業を休止したことを明らかにしている。サムスンは同工場の顧客を公表していないが、テスラは2019年に、自動運転向け半導体がサムスンのテキサス工場で製造されていると述べていた。

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