[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米国株式市場は主要株価3指数がいずれも下落して取引を終えた。米国債利回りの上昇を受けてテクノロジー関連株が圧迫され、ナスダック総合の下落率は過去4カ月で最大となった。

ダウ工業株30種とS&P総合500種は1月下旬以降で最大の下落率を記録した。

米10年債利回りは一時、1年ぶり高水準となる1.614%まで上昇。投資家の間で一部のグロース(成長)株のバリュエーションを巡る懸念が高まり、利食い売りが出た。

米国債利回りはS&P総合500種の配当利回りを上回り、株式市場の利回りでの優位性がなくなった。

チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は「金利は重要だ。1.5%の利回りで、S&P500の配当利回りに匹敵する。10年債に資本リスクはなく、元本を取り戻すことが可能だ。急に株式との競争関係が生じた」と語った。

アップル、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アルファベット、フェイスブック、ネットフリックスは1.2─3.6%安と軒並み下落した。

一方、ゲーム販売のゲームストップは前日に続き急伸、数回にわたり売買が一時停止された。同社株は前日約100%上昇していた。この日も一時、約90%上げたが、終値は18.6%高だった。

S&Pの主要セクターでは2020年の市場の上昇を主導した情報技術や通信サービスが下落。情報技術株は3.5%安、通信サービス株は2.6%安。

S&Pグロース株指数の2月のパフォーマンスはほぼ横ばいで、バリュー株指数を大きくアンダーパフォームしている。バリュー株指数は新型コロナウイルス危機後の経済再開を巡る楽観的な見方から7%超上昇している。

チェースのタズ氏は「株式市場は今年に入り何度も最高値を更新してきた。歴史的に見ると割高だ。売りが出ることは分かっていた」と述べた。

今月初めに見られた米財政刺激策を巡る楽観ムードや新型コロナウイルスワクチンの接種加速を背景に、ダウは月間では昨年11月以来の大幅な上昇を記録する見通しだ。

ハーベスト・ボラティリティー・マネジメントのトレーディング・リサーチ部門責任者、マイク・ジグモント氏は「2月初めは刺激策のニュースが市場の原動力となっていた。だが、それが織り込まれた今では株式投資家が今後期待するようなことは何もなく、上昇余地は限られているという懸念がある」と話した。

電気自動車大手テスラは8.1%安。同社が従業員に対し、カリフォルニア州の組立工場の一部生産休止を伝えたとの報道が背景。

モデルナは2.5%高。新型コロナウイルスワクチンの今年の売上高が184億ドルになるとの見通しを示したことが好感された。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を6.71対1の比率で上回った。ナスダックでは7.36対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は158億4000万株。直近20営業日の平均は156億1000万株。

*内容を追加しました。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 31402.01 -559.85 -1.75 31955.94 31984.77 31293.32

前営業日終値 31961.86

ナスダック総合 13119.43 -478.54 -3.52 13512.64 13602.86 13066.38

前営業日終値 13597.97

S&P総合500種 3829.34 -96.09 -2.45 3915.80 3925.02 3814.04

前営業日終値 3925.43

ダウ輸送株20種 13372.26 -258.29 -1.89

ダウ公共株15種 814.39 -11.26 -1.36

フィラデルフィア半導体 2999.16 -184.58 -5.80

VIX指数 28.89 +7.55 +35.38

S&P一般消費財 1287.06 -48.21 -3.61

S&P素材 467.40 -11.46 -2.39

S&P工業 772.43 -15.39 -1.95

S&P主要消費財 660.18 -7.50 -1.12

S&P金融 546.42 -10.09 -1.81

S&P不動産 236.56 -3.82 -1.59

S&Pエネルギー 368.66 -7.54 -2.00

S&Pヘルスケア 1321.95 -13.25 -0.99

S&P通信サービス 232.01 -6.10 -2.56

S&P情報技術 2279.75 -83.46 -3.53

S&P公益事業 300.95 -2.97 -0.98

NYSE出来高 13.30億株

シカゴ日経先物3月限 ドル建て 29620 - 570 大阪比

シカゴ日経先物3月限 円建て 29620 - 570 大阪比

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)