[香港 25日 ロイター] - 香港政府が株式取引に課す印紙税を引き上げると発表したことを受けて、証券業界では、個人投資家の株式投資熱を維持するため、証券会社が印紙税の支払いの肩代わりや手数料の引き下げを迫られるのではないかとの見方が浮上している。

香港の陳茂波(ポール・チャン)財政官は24日、予算演説で株式取引に課す印紙税を0.1%から0.13%に引き上げると表明した。8月1日付で実施する。

香港株式市場では過去1年間、特に中国本土の投資家からの資金流入を背景に取引高が急増している。

印紙税の引き上げで取引高が落ち込めば、特に個人投資家の投資ブームで恩恵を受けてきた中小の証券会社が打撃を受けるとみられている。

香港市場では、ここ数カ月で個人投資家の比率が急増。市場全体の約30%を占めている。

ウェルシー・セキュリティーズのマネジングディレクター、ルイス・チェ氏は「香港の証券業界は特に競争が激しい。印紙税の支払いを肩代わりするという証券会社が出てくるかもしれない」と述べた。

業界関係者によると、個人投資家が証券会社に支払う手数料は取引額の0.1ー0.2%。

フィリップ・セキュリティーズのディレクター、ルイス・ウォン氏も「印紙税の増税分を相殺するため、手数料をさらに下げるという証券会社が出てくるかもしれない」と指摘。ただ、香港市場の取引高への影響は最小限にとどまるだろうとの見方も示した。