[ワシントン 24日 ロイター] - バイデン米大統領が提案した1兆9000億ドルの新型コロナウイルス経済対策が、上院で大幅に縮小される可能性がある。最低賃金引き上げの盛り込みが可能か判断が待たれるほか、失業給付上乗せや現金給付、州・地方政府への支援についても与野党で規模縮小が検討されているという。

民主党は上院(定数100)で財政調整措置(リコンシリエーション)と呼ばれる手続きを活用し、通常の賛成60票ではなく単純過半数で法案を可決することを目指している。

バーニー・サンダース上院議員が時給15ドルへの最低賃金引き上げを提案しているが、財政調整措置のルール上、経済対策法案に盛り込むことが可能かどうか、上院で近く判断する見通しだ。

上院補佐官によると、失業給付の上乗せを各州の失業率と関連付ける案も複数議員の間で浮上している。現金給付については、さらに多くの高額所得者層を対象外とする可能性があるという。

また、民主党のジョー・マンチン氏など複数の上院議員は最低賃金について、現在の時給7.25ドルから2025年までに段階的に同15ドルに引き上げる代わりに、同10─11ドルへの引き上げを検討している。

民主党上院ナンバー2のディック・ダービン議員は記者団に対し「やや懸念を抱く民主党議員も数人いるが、それでも合意点を見いだすことができると思う」と述べた。

下院は今週26日にも経済対策法案を可決する可能性がある。

上院の採決は3月上旬になる公算が大きい。