[ソウル 25日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は25日、政策金利を過去最低の0.50%に据え置いた。脆弱な国内経済の回復を引き続き支援するとともに、政府の財政刺激策を背景にした債券利回りの上昇圧力に対処する。

ロイター調査では、対象となったアナリスト27人全員が政策金利の据え置きを予想していた。

同国ではインフレ期待が高まっているが、中銀は金融緩和の解除を急がないと表明。

会見した李柱烈総裁は「政策の正常化や利上げについて言及するのは今は適切ではない」と述べた。

中銀はインフレ率見通しを従来の1.0%から1.3%に上方修正した。成長率見通しは3.0%に据え置いた。

一部のエコノミストは、早ければ来年上半期に利上げがあると予測。アナリスト21人中12人は来年の利上げを予想、9人は据え置きを予想している。

メリッツ・セキュリティーズの債券アナリストは「追加緩和の可能性は完全になくなった。問題はいつ正常化が始まるかだ」とし「来年下半期にも利上げがあると予想している。米連邦準備理事会(FRB)よりも早く利上げに踏み切る可能性がある」と述べた。

同国では家計のインフレ期待が2月に2019年8月以降で最高の水準に達した。

同総裁は、国債購入について、購入する場合のタイミングなど詳細は後日発表するとして、詳細を明らかにしなかった。

議会は、新型コロナウイルスの打撃を受けた中小企業などを支援するため、補正予算の編成を進めており、投資家は今後の国債買い入れ計画に注目している。

シンヨン証券のアナリストCho Yong-gu氏は、新型コロナ危機対応のための第4弾の支援策は大規模になる可能性があり、中銀の国債買い入れ計画に注目が集まっていると指摘した。

韓国の10年債利回りは米国債利回りの上昇に追随し、1.85%と2年ふり高水準近辺で推移している。

中銀は2020年に、新型コロナの影響で混乱する市場の安定に向け、11兆ウォン(99億2000万ドル)の国債を購入した。

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