2021/2/26

【魚谷雅彦】女性幹部は30%ではない。半分を目指すべきだ

コンサルタント(元NewsPicks記者)
ついに昭和のモデルが変わるのか──。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視の発言をきっかけに、女性活躍や意思決定における多様性に、これまでにない注目が集まりだした。
一連の動きのなかで、DeNAの南場智子会長が、経済界のトップである経団連の副会長に初の女性として就任する見込みになった。
その経団連のダイバーシティ推進委員会の委員長や、企業の役員の女性比率向上を目指す30%クラブの会長を務め、日本経済全体の多様化をも推し進めているのが、資生堂の魚谷雅彦社長だ。
魚谷氏といえば、日本コカ・コーラ、資生堂と、2つの大企業でトップを務め、変革を実現してきた人物で、名経営者と言える。
そして、組織の多様化や女性活躍を、日本の経済界に真っ先に取り入れた先駆者でもある。
そんな魚谷氏は、日本の現状をどう思うのか。NewsPicks編集部の独占インタビューに対し、じっくり語ってもらった。
魚谷雅彦(うおたに・まさひこ)/資生堂社長、経団連ダイバーシティ推進委員長
1954年、奈良県生まれ。77年に同志社大学文学部を卒業後、ライオン歯磨(現ライオン)に入社。83年米コロンビア大学経営大学院卒業(MBA取得)。94年日本コカ・コーラ取締役上級副社長、2001年社長、06年会長。13年資生堂マーケティング統括顧問。14年6月より現職。(写真:つのだよしお/アフロ)

ピンチをチャンスにするしかない

──東京五輪組織委員会の森喜朗会長の発言を、魚谷さんはどう捉えましたか。
あの発言は、極めて残念でした。