2021/2/25

【溝口勇児】カネの私物化、パワハラ…疑惑をすべて語る

ビッグネームが勢揃いした“セレブファンド”が、一瞬のうちに崩壊した。
2020年5月に設立が発表された「WEIN挑戦者FUND」。大物経営者やプロスポーツ選手、著名スタートアップ経営者が名を連ねる「ドリームチーム」と話題をさらったファンドだ。
主役はフィンクテクノロジーズ創業者の溝口勇児氏、元ネスレ日本社長の高岡浩三氏、そしてプロサッカー選手の本田圭佑氏。NewsPicks編集部も、発表時に特集している。
前代未聞のスキャンダルが勃発したのは、それからわずか9ヵ月後のことだった。
12月1日、溝口氏と高岡・本田両氏らが対立し、トップの溝口氏を引きずり下ろす“クーデター”が勃発。最終的には、2月19日に高岡・本田両氏が代表パートナーを退任し、さらには出資していた個人投資家の「全員」がファンド解散を要求しているというのだ。
このファンドには、日本のエンジェル投資家のビッグネームたるコロプラ創業者・千葉功太郎氏らが出資。さらに投資先には元リンクアンドモチベーション取締役・麻野耕司氏が立ち上げたスタートアップなど5社が並び、国内ベンチャー界の大騒動に発展しつつある。
果たして何が起きているのか。NewsPicksは、本日から当事者たちの短編インタビューを緊急連載していく。まずは、退任を突きつけられた溝口氏の証言からはじめよう。
INDEX
  • クーデターの真相
  • カネの私物化はあったのか?①
  • カネの私物化はあったのか?②
  • パワハラはあったのか?
  • 悪いのは、西本さん
  • 反省の弁

クーデターの真相

──WEINが内部崩壊したそうですね。何があったのですか。
溝口 僕の人生史上、最も辛い出来事が起きました。今でも心がえぐられた情景が、鮮明に思い出されます。
2020年12月1日、朝9時。毎週火曜日に開催される経営陣の定例ミーティングでのこと。出席者は僕と(本田)圭佑、高岡さん、事業会社の社長2人(岡本彰彦FG社長・西本IG社長)とCFO、経理のVPの7人でした。