[香港 24日 ロイター] - 香港の陳茂波(ポール・チャン)財政官は24日、域内経済が史上最長のリセッション(景気後退)から回復すると予想し、2021/22年度の財政赤字が大幅に縮小するとの見通しを示した。

香港は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年から、民主派の抗議活動や米中貿易摩擦の影響などで景気後退に陥っている。

陳氏は21/22年度の財政赤字を1016億香港ドル(131億米ドル)と予想。過去最大となる20/21年度の2576億香港ドル(推定)から縮小するとの見通しを示した。

20/21年度は、個人向け現金給付や企業向けの税軽減策など新型コロナに関連した支援策が重しとなり、赤字額が当初計画を大幅に上回った。

陳氏は議会で「新型コロナ流行はなお続いており、香港経済はまだリセッションから脱却していない」とし、新年度予算案は「経済の安定化と人々の負担軽減に軸足を置く」と述べた。

消費や企業活動の回復を支えるため、予算案では個人向けの5000香港ドルの割引券や、企業向けの減税などのほか、観光、テクノロジーセクターへの支援を盛り込んだ。

歳入面では、株取引に課す印紙税を0.1%から0.13%に引き上げる。

2021年の経済成長率は3.5─5.5%、2022─25年の平均成長率は3.3%と予想した。20年はマイナス6.1%で、1962年以降で最大の落ち込みとなった。