[ロンドン/ニューヨーク 23日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインの急落が、同資産への15億ドル相当の投資を今月公表した米電気自動車(EV)大手テスラの株価に波及し、さらに同社株を組み入れた上場投資信託(ETF)も23日の取引で下落した。

ビットコインは一時13.3%安の4万6951.51ドル。

テスラは2.2%安で取引を終えた。これを受け、ARKイノベーションETFは3.3%、ARKオートノマス・テクノロジー&ロボティックスETFは3.8%、それぞれ下落した。両ファンドは保有株の中でテスラの比重が最も大きい。

市場ではこのところ、過去数カ月で大幅に上昇してきたハイテク株や大麻、太陽光関連ETFなど幅広い資産に売りが出ている。

CFRAのETF・投信リサーチ責任者トッド・ローゼンブルース氏は、最近大きく値上がりしてきたファンドの多くが「長期的に平均値に戻る可能性がある」と述べた。

テスラ株に対し投資家が慎重になりつつある兆しも見られる。トレード・アラートのデータによると、オプション市場ではテスラ株のコール(買う権利)に対するプット(売る権利)の需要の強さを示すスキューがここ1週間で上昇している。

テスラによるビットコイン投資が、ESG(環境・社会・企業統治)を重視する投資家の懸念材料となる可能性もある。

資産運用会社NN・IPの最高投資責任者は、テスラは自動車の温暖化ガス排出削減に取り組んできたものの、一方でビットコイン投資が同社のESG評価の重しとなる可能性があると指摘した。