米国株式市場=S&Pとダウ上昇、終盤に切り返す
Reuters
2021/02/24
[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米国株式市場は終盤に切り返し、S&P総合500種とダウ工業株30種が上昇して取引を終えた。新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン下で上昇してきた銘柄と、経済再開から恩恵を受ける銘柄の間で綱引きが続く展開だった。
ナスダック総合は下落。ワクチンの接種が進み経済再開が可能となる中、投資家はこうした状況から恩恵を受ける銘柄を選好。これまでの規制下で買われてきた大型グロース(成長)株が市場の重しとなった。
ブライト・トレーディングのトレーダー、デニス・ディック氏は「下落局面では買いが入っている。こうした動きは一方向に傾いた市場で数カ月にわたり報われてきた」と指摘。「弱気になるのは難しい。唯一ある懸念は機会を逃すというものだ」と語った。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は23日、上院銀行委員会で開かれた経済状況に関する公聴会で、FRBの政策支援がインフレ高進や危険な資産バブルを招くとは考えにくいとし、景気支援の継続がなお必要と強調した。
国内の景気回復は依然として「まばらで完全とは程遠い」と指摘。現在確認されている市場の動きについては、新型コロナワクチンが奏功するとの期待や消費支出拡大見通しなど、景気回復への期待を反映しているとの認識を示した。
インディペンデント・アドバイザー・アライアンスのクリス・ザッカレリ最高投資責任者(CIO)は「パウエル議長の発言はおそらく、現金を保有し様子見姿勢を取っていた人に、再び資金を投資に回すことへの自信を与えたとみられる」と語った。
S&Pの主要11セクターでは7セクターが上昇。一般消費財と情報技術は下げがきつかった。
電気自動車大手テスラは2.2%下落し、年初来でマイナス圏に転落。テクノロジー株の下落や、テスラが最近15億ドル投資した仮想通貨(暗号資産)ビットコインが12.0%下落したことが重しとなった。
ブロックチェーン関連株のライオット・ブロックチェーンとマラソン・パテント・グループはそれぞれ24.6%、23.0%下落。シルバーゲート・キャピタルは20.1%安。
ホームセンター大手のホーム・デポは四半期決算が市場予想を上回ったものの、株価は3.1%値下がりし、ダウを圧迫。新型コロナ流行で自宅で過ごす時間が増えたことによる需要増加が持続可能かどうかについて不透明が高まった。
24日に決算を発表する同業のロウズも下落した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.59対1の比率で上回った。ナスダックでは2.58対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は165億2000万株。直近20営業日の平均は160億6000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 31537.35 +15.66 +0.05 31501.89 31653.38 31158.76
前営業日終値 31521.69
ナスダック総合 13465.20 -67.85 -0.50 13262.61 13526.09 13003.98
前営業日終値 13533.05
S&P総合500種 3881.37 +4.87 +0.13 3857.07 3895.98 3805.59
前営業日終値 3876.50
ダウ輸送株20種 13403.11 +21.69 +0.16
ダウ公共株15種 835.85 +5.47 +0.66
フィラデルフィア半導体 3083.88 -18.13 -0.58
VIX指数 23.11 -0.34 -1.45
S&P一般消費財 1325.41 -6.47 -0.49
S&P素材 474.52 +1.53 +0.32
S&P工業 772.88 +2.17 +0.28
S&P主要消費財 667.86 -0.18 -0.03
S&P金融 545.54 +2.70 +0.50
S&P不動産 239.06 +0.75 +0.31
S&Pエネルギー 362.97 +5.75 +1.61
S&Pヘルスケア 1326.48 -2.05 -0.15
S&P通信サービス 237.06 +2.47 +1.05
S&P情報技術 2328.11 -5.80 -0.25
S&P公益事業 307.45 +2.43 +0.80
NYSE出来高 13.35億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 30005 - 165 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 29995 - 175 大阪比
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