[ワシントン 21日 ロイター] - 米ユナイテッド航空は21日、同社が運航するボーイング777型機が20日にエンジンの故障で緊急着陸したことを受け、同じエンジンを搭載する同型機全24機の運航を停止すると発表した。

搭載エンジンはプラット&ホイットニー(P&W)製PW4000で、米連邦航空局(FAA)はこの問題を受け、同エンジンを搭載した777型機の検査強化を指示した。

20日、コロラド州デンバー発ホノルル行きのユナイテッド航空のボーイング機が離陸直後に右側エンジンが故障、デンバー国際空港に引き返した。

運輸事故の調査を担う米運輸安全委員会(NTSB)は、デンバーに着陸したボーイング機の初期調査では、大半の損傷は右側エンジンに限定されており、機体そのものの損傷は程度が小さいことが明らかになったとした。

ユナイテッドは「これらの航空機が当社の厳格な安全基準を満たし、運航を再開できるよう必要な追加措置を判断するため」米規制当局と協議を継続するとした。

日本の国土交通省は21日夜、米国で発生したユナイテッド航空ボーイング777型機のエンジン損傷を受け、日本航空と全日本空輸に対し、対策の必要性の有無を検討する間、同系列のエンジンを搭載した航空機の運航停止を指示したと発表した。対象は日航13機、全日空19機。

FAAによると、米国で同機を運航するのはユナイテッドのみで、米国以外では日本と韓国の航空会社が運航している。

FAAは声明で「昨日の事案を受けて入手可能な安全性のデータを精査した」結果、「ボーイング777型機のみに搭載されているこのエンジンモデルに特有のくぼんだファンの羽根の検査間隔を短くする必要があると結論付けた」とした。

レイセオン・テクノロジーズの傘下にあるP&Wからコメントは得られていない。

ボーイングは同社の技術顧問がNTSBの調査に協力しているとコメントした。

韓国の国土交通省の報道官は、状況を注視しているが、いかなる措置も講じていないと述べた。

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